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古物商とは?許可の取り方~申請後に必要な手続までわかりやすく解説

この記事では、古物商に関する基本的な知識から、許可取得の具体的な方法、必要書類や手続きの流れ、許可取得後の注意点までをわかりやすく解説します。

また、「古物商が必要かどうかの判断ポイント」や「取得にかかる費用」、「無許可営業のリスク」など、これから古物商を始める方が気になるポイントも網羅しています。ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。古物商専門の行政書士。古物商の許可に関するメディアサイト「古物許可ナビ」を運営しており、古物商の許可取得実績500件以上。古物商許可の取得率100%
 

古物商とは?

古物商とは何か?

古物商許可証

 

古物商とはわかりやすくいうと、「中古品」を売買や交換して「営業(商売)」する人のことです。

そして、その営業するための許可のことを「古物商の許可」といいます。

因みに「古物商の許可」を略して「古物商」と言われているケースもあるので「古物商を取る」なんて言われたりもします。

また、ここでいう「中古品」とは、いわるゆ一度使用された物だけではなく、使用されていないけど使用の為に購入された物(新古品)や修理品・リメイク品なども中古品に該当します。

例えば、以下の図でいうと、小売店から新品を購入したAさんは古物商が不要ですが、BさんとCさんについては中古品を購入しているので古物商が必要です。

一方、Dさんはお店から購入していますが、中古品をお店から購入しているのでEさんとFさんだけではなく、Dさんも古物商の許可が必要となります。

古物商が必要な場合と不要な場合

 

また、「営業(商売)」については利益を得る目的で反復・継続的に取引を行っていることをいい、古物商は警察署から許可を受けないとできません。

なぜ古物商許可が必要なのか?(盗品売買防止のため)

 

中古品を売買するだけなのに、なぜわざわざ警察署に申請書を提出して許可をとらない取らないといけないのか不思議ですよね?

なぜ、古物商の許可を取らないといけないかというと、盗品等の売買の防止、速やかな発見、被害の迅速な回復を実現する為です。

例えば、誰でも中古品や新品未使用品、修理品が売買できるとしたら、泥棒や強盗犯は盗んだものを簡単に現金化することができてしまいます。

また、簡単に盗品を現金化できてしまうのであれば、強盗や窃盗、泥棒などの犯罪が増えてしまう可能性もあります。

ですが、中古品の売買を許可制にして、古物商に一定の義務(本人確認や取引記録など)を課すことで、盗品の現金化が難しくなり、窃盗その他の犯罪の防止、被害の迅速な回復ができるようになるわけです。

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古物商が必要なケース・不要なケース

古物商が必要か不要かの判断基準

古物商とは?

 

自分に古物商の許可が必要か不要かを知るには以下の2点を確認すれば大丈夫です。

確認ポイント

  1. 取り扱う商品が『古物』かどうか?
  2. 古物商が必要な取引に該当するか?

上記の①と②の両方に該当する場合には古物商の許可が必要となります。

逆に、どちらか一方にのみ該当する場合には古物商の許可は不要です。

①取り扱う商品が『古物』かどうか?

取り扱う商品が『古物』に該当しない場合には古物商の許可は不要です。

では、『古物』とは何かというと、以下の13品目の中で、一度使用された物や、使用はされていないけど使用のために購入した物、これらのリメイク品のことをいいます。

古物商に該当する13品目 具体例
①美術品類 絵画、版画、彫刻、骨とう品、工芸品、アンティーク・登録火縄銃・登録日本刀など
②衣類 和服、洋服、子供服、和服小物、帽子、ジーンズ、布団、絨毯、旗など
③時計・宝飾品類 腕時計、置時計、眼鏡、宝石・指輪・ネックレス、アクセサリー、貴金属類など
④自動車 自動車、タイヤ、バンパー、カーナビ、サイドミラー、その他部品類など
⑤自動二輪車及び原動機付自転車 バイク本体、原付自転車、マフラー、エンジン、部品類など
⑥自転車類 自転車、電動アシスト自転車、一輪車、三輪車、かご、タイヤ、サドル、空気入れ、その他部品など
⑦写真機類 カメラ、アンティークカメラ、写真機、レンズ、ビデオカメラ、顕微鏡、双眼鏡、天体望遠鏡、光学機器など
⑧事務機器類 パソコン、パソコン周辺機器、タブレット端末、コピー機、プリンター、FAX、電話機、レジ、タイムレコーダー、シュレッダー、各種測定機器など
⑨機械工具類 家庭用ゲーム機、家電製品、家庭用電話機、土木機械、工作機械、化学機械、医療機器、20トン以下の船舶など
⑩道具類 家具、楽器、スポーツ用品、日用品、釣り具、パソコンソフト、ゲームソフト、CD、DVD、トレーディングカードなど
⑪皮革・ゴム製品類 バッグ、かばん、皮靴、財布など
⑫書籍 単行本・文庫本・雑誌・まんが・写真集・児童書・辞書・古書・地図など
⑬金券類 商品券、航空券、乗車券、各種入場チケット、郵便切手、テレホンカード・プリぺーどカードなど

取り扱う物が上記の13品目の中のどれかに該当する場合には『古物』を取り扱っているということになります。

どの品目を選べばいいか迷ったら「古物商の13品目の選び方」をチェック!

②古物商が必要な取引に該当するか?

自分の取り扱う商品が古物に該当すると分かったら、次に確認しなければいけないのが『取引の種類』です。

古物について以下の取引をする場合には古物商が必要と取引ですので古物商の許可を取得する必要があります。

古物商が必要な取引

  • 売買
  • 交換
  • 委託売買
  • 委託交換

ただし、これだけではイマイチどのような場合に古物商の許可が必要なのかイメージしにくいと思います。

そこで、どのような場合に古物商の許可が必要になるのかや、古物商の許可を取るとできる仕事の具体例を挙げながら見ていきましょう。

古物商が必要な具体例(リサイクルショップ・ネット販売・せどりなど)

 

古物商が必要な場合 具体例
買い取った古物を売る ネットや店舗で中古品を仕入れて販売するような場合
買い取った古物を修理して売る 壊れたスマホやパソコンなどを修理して販売するような場合
古物を買い取って部分的に売る 壊れたスマホやパソコンの他、壊れた車やバイクから使用可能な部品を抜き取り販売する場合
古物を預かって委託販売する 他人の代理で商品を出品して販売したり、他人から委託を受けて商品を販売して手数料をもらう場合
古物を他のものに交換する 家電製品を販売する際に、商品を下取りして、クーポンやポイント等で値引きするような場合
買い取った古物をレンタルする 中古の医療機器や中古車を買い取って、それらをレンタルする場合
買い取った古物を輸出する 国内のフィギアやカードゲーム等の玩具や家電製品等の中古品を買い取って海外に輸出する場合
インターネット上で
古物の売買・レンタル・修理をする
上記の内容をネットで行うような場合

古物商の許可が必要となる場合には上記のようなケースが挙げれます。

特に最近では副業としてメルカリやラクマ、ヤフオクを利用しているケースをよく見かけますが、中には古物商の許可が必要なのにも関わらず、無許可で中古品販売をしている方もいます。

ですので、自身の取引が古物商の必要な場合に該当しないかどうかをしっかりと判断した上で取引するようにしてください。

古物商ができる仕事例

古物商でできる仕事

 

古物商の許可が必要な取引という事は、逆に言うと、古物商にしかできない仕事といわけです。

つまり、古物商の許可を取得することで上記のような仕事ができるようになります。

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古物商が不要な具体例(新品や自分の物を売る場合など)

 

一方で取引する物が先ほど解説した古物に該当する13品目以外の以下に該当する場合には『古物』を取り扱っているわけではないので、古物商は不要となります。

ただし、取り扱う物によっては他の許可が必要となるケースもあるので注意して下さい。

古物商が不要な場合 説明
私物 自分が使用する目的で購入した物は古物に該当しません。
新品の物 13品目に該当してもお店から購入した新品も古物に該当しません。
無料でもらった物 無料でもらったものは私物扱いとなるので古物に該当しません。
輸入した商品 自分が輸入した商品については古物に該当しません。
資産・投資目的の貴金属 インゴット、金貨、金塊、古銭、古札、プラチナなどは古物に該当しません。
消費する物 食品、お酒、医薬品、香水、化粧品などの消費してなくなるものは古物に該当しません。
原材料となる物 金属くず、鉄くず、銅線、空き缶など原材料として取引されるものは古物に該当しません。
価値のないもの ごみ、一般廃棄物などは古物に該当しません。

自分の持ち物を売る場合は不要

自分の持ち物は『古物』に該当しない為、例え、中古品であったとしても古物商は不要です。

ただ、「じゃあ、自分が使う目的で購入したことにして、古物商を取らずに中古品の売買しちゃえばいいんだ!」と思いませんでしたか?

ですが、それは絶対にしないで下さい。

なぜなら、そうやって無許可で中古品の売買をしようとする人も多い為、その点についても規制の対象とされています。

例えば、以下のような場合には私物ではなく古物の売買と見なされる可能性があります。

私物の売買とは見なされないケース

  • 家電製品等の同一の商品を一時点において5点以上出品している場合
  • CD・DVD・パソコン用ソフト等の同一の商品を一時点において3点以上出品している場合
  • 自動車・二輪車の部品等の同一の商品を一時点において3点以上出品している場合
  • ブランド品等のる商品を一時点において20点以上出品している場合

因みに、同一の商品とは全く同じ商品という意味ではなく、同じ種類の商品という意味になります。

ですので、例えば違うメーカーの液晶テレビを過去のどこかのタイミングで5点出品していた場合、例え、私物を販売していたと言い張っても家電類の古物を取り扱っていたと見なされる可能性があるわけです。

新品で購入した物を売る場合は不要

お店から新品で購入した場合にはも古物商の許可は不要です。

なぜなら、一度も市場に出回っていないメーカーや小売業者、卸売業などから購入した新品商品についてはお店から新品の商品として購入しているので、その商品が盗品である可能性は極めて低いからです。

一方で、新品は新品でも一般の人から購入した新品未使用品を買って販売する場合には古物商の許可が必要となります。

というのも、その一般の人が新品の商品を盗んであなたに販売している可能性も考えられるからです。

無償でもらったものを売る場合は不要

無償でもいらった物を売る場合には古物商の許可は不要です。

なぜなら、わざわざ盗んだ物を無償で誰かにプレゼントするということは考えにくく、無償でもらったものには盗品が紛れ込む可能性が低いからです。

ですので、不用品として無料で回収した物を売る場合には古物商の許可は不要です。

ただし、不用品を回収した中の一部を販売し、一部をゴミとして破棄する場合には一般廃棄物収集運搬業許可という別の許可が必要になります。

自分が海外から仕入れた物を日本国内で売る場合は不要

自分が海外から仕入れた物を日本国内で売る場合にも古物商の許可は不要です。

理由としては、古物商の目的はあくまでも日本国内の盗品を市場に流通させないことであり、海外の盗品までは日本の法律で規制できないからです。

ただし、対象外になるのはあくまでも自分が海外から仕入れた物であり、誰かが海外から仕入れた物を国内で販売する場合には古物商の許可が必要となります。

資産・投資目的の貴金属を売る場合は不要

インゴット、金貨、金塊、プラチナなどは古物ではなく資産として取り扱われるため、古物商は不要です。

一方で、金やプラチナと共に取り扱われることが多いダイアや宝飾品、高級腕時計などは古物に該当する為、古物商の許可が必要となります。

消費する物を売る場合には不要

食品、お酒、医薬品、香水、化粧品などの消費してなくなるものは古物には該当しないので、古物商の許可は不要です。

但し、古物商が不要でもそれ以外の許可が必要となる場合もあるので注意してください。

例えば、お酒を販売する場合には酒類販売業免許、医薬品を販売する場合には医薬品販売業許可が必要となります。

原材料となる物を売る場合には不要

金属くず、鉄くず、銅線、空き缶など原材料となるものを売る場合には古物商の許可は不要です。

例えば、鍋を購入し鍋として販売する場合に古物商の許可が必要ですが、鍋を鉄の塊として鉄くず業者に販売する場合には古物商の許可は不要です。

ただ、この場合にも古物商の許可は不要ですが、都道府県によっては金属くず商の許可が必要になる場合もあります。

価値のないものを売る場合には不要

ごみ、一般廃棄物を売る場合も不要です。

ここで注意しなければいけないのは、古物商の許可を持っていてもゴミを回収することはできないという点です。

例えば、10個の不用品を回収し、その中で中古品として売れそうな1つを取り除き、後は捨ててしまうようなことはできません。

古物商の許可を取ってもできないビジネスもある

 

ここまでは古物商の許可が必要な場合や古物商の許可を取得することでできる仕事について解説してきました。

古物商の許可を取得することで多くのビジネスができることがわかったと思います。

しかし、中には古物商の許可を取得してもできない仕事もあるので注意して下さい。

古物商で不用品(ゴミ)の回収はできない

古物商でできる仕事として最も誤解が多いのが不用品の回収です。

特に、最近は高齢化社会などの影響で遺品整理などの需要が大きく、不用品の回収をしたい方も多いです。

しかし、残念ながら古物商の許可で不用品の回収はできません。

なぜなら、不用品(ゴミ)を回収するには一般廃棄物収集運搬業許可という別の許可が必要だからです。

因みに、先ほど「無償でもらったものを売る場合には古物商不要」と説明しましたが、あくまでも販売する前提の物に限って回収することが可能なだけですので注意して下さい。

古物商で質屋はできない

質屋についても古物商の許可を持っていたとしてできません。

質屋というのは中古品の販売と少し似ていますが、実際には物を預かる代わりに金銭を貸し付けることが目的だからです。

そして、日本では金銭の仕事として金銭の貸し付けを行うにはかなりハードルが高く、質屋を行うには質屋営業の許可を取得する必要があります。

古物商でお酒の販売はできない

近年で国産のウイスキーが高値で取引されており、ブランド品買取専門店などでもお酒の買取を行っているお店も少なくありません。

だから、古物商の許可があれば買い取ったお酒を販売できると誤解してしまっている人も多いみたいです。

しかし、古物商の許可を取得したとしてもお酒の販売はできません。

そもそも、お酒は古物に該当しない上、お酒を販売するには酒類販売免許という別の許可を取得しなければならないからです。

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メルカリでの中古品販売にも古物商が必要な場合もある

 

メルカリでは個人で簡単に中古品を販売できるので利用している人も多いのではないでしょうか?

実際にメルカリを利用している多くの人には古物商は不要です。

なぜなら、メルカリは私物・不要品を販売するフリマアプリなので、私物や不用品は法律上は中古品に該当しないからです。

一方で、私物や不用品以外の上記で紹介した中古品13品目に該当する物をお金を稼ぐ目的で販売する場合には古物商の許可が必要です。

また、「メルカリの古物商無許可はバレる」の記事でも詳しく解説していますが、古物商が必要な取引では必ず古物商を取るようにしましょう。

私物や不用品を売っていることにすれば無許可でも大丈夫?

じゃあ、私物や不用品ってことにしてメルカリで売れば古物商取らなくていいや!
古物商の初心者
古物商の初心者

私物や不用品は法律上は中古品に該当しないので、メルカリで売買しても古物商の許可は不要です。

ただ、だからといって本来はお金を稼ぐ目的で中古品を売買しているのに、私物や不要品だと偽って販売している人がかなり多いですが絶対に辞めた方が良いです。

なぜなら、そのように言い逃れする人が多いことも警察はしっかりと把握しており、その点に関してもしっかりと対策が取られているからです。

例えば、同じような商品を何度も沢山出品している場合には、私物ではなくお金を稼ぐ目的の中古品売買として扱われるケースがあります。

ですので、メルカリでお金を稼ぐ目的で中古品を売買する場合には古物商の許可を取るようにしましょう。

古物商の無許可営業は法律で3年以下の懲役・100万円以下の罰金

 

お金を稼ぐ目的で中古品の売買をしているにも関わらず、無許可で古物商を行った場合には『3年以下の懲役』又は『100万円以下の罰金』もしくはその両方が科されてしまう罰則が設けられています。

中古品を販売しただけでこんなにも重い罪に該当するとあまり想像できないかもしれませんが、実際に古物商の無許可営業で逮捕された事例もあります。

ただ、中古品の販売に古物商の許可が必要と知らずに、お金を稼ぐ目的で中古品を売買してしまっていたという方もいるかと思います。

そのような場合には、今すぐにでも古物商の許可を取るようにしてください。

無許可営業をした後から申請したら、逮捕や罰則を受けてしまうのではと心配になるかもしれませんが、基本的には適法な営業に向けて古物商を取得するのであれば逮捕や罰則を科されることはありません。

むしろ、逮捕や罰則が怖いからと無許可営業を続けている方が危険です。

ですので、無許可で営業してしまている場合には、まずは、古物商の許可が取れるまで中古品の販売を停止し、古物商の許可を取得して違法な営業状態を解消しましょう。

罰則については「古物商違反の罰則」の記事で詳しく解説しています。

古物商の無許可は普通にバレてしまう

 

ネットで中古品の売買をしている人の中には「ネットで売買しているだけだしバレる要素なんてないでしょ?」と無許可売買をしている人も多いです。

しかし、残念ながら「古物商の無許可はバレる!無許可の罰則は?」の記事でも解説しているとり普通にバレます。

どうやってバレるかというと、以下の4つのパターンが多いです。

  1. 取引相手や同業者からの通報
  2. 盗品の買取
  3. 取引相手の違法行為
  4. 確定申告

この中でも特に多いのが①と②です。

例えば、取引相手とクレームなどでトラブルが発生し、相手が腹いせに警察に通報するケースや、同業者が無許可営業に腹を立てて通報するケースです。

その他にも、誰かから盗んだ物が仕入れてしまい、その捜査の過程で警察にバレてしまうケースなんかもあります。

そして、古物商を無許可で行っていた場合には古物営業法という法律で罰則も設けられているので注意しなければなりません。

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古物商の取り方は?申請~許可取得までを解説

 

ここまで古物商に関する基礎知識について解説してきましたが、ここからは古物商をの取り方について解説していきます。

古物商を取得する際の流れは以下のようになります。

  • 古物商の要件を確認する

  • 古物商の営業所を決める

  • 管轄の警察署に相談する

  • 古物商の必要書類を収集する

  • 古物商の申請書を作成する

  • 警察署に申請書を提出する

  • 古物商許可証を受け取る

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古物商の取得要件を確認する

 

古物商は申請すれば誰でも許可を取れるというワケではなく、古物商の許可要件を満たしている必要があります。

では、古物商の許可の要件は何かというと、以下の3つです。

  • 適切な営業所を設けること
  • 不備のない申請書・添付書類を提出すること
  • 古物商の欠格事由に申請書・管理者が該当しないこと

古物商は店舗でやるかネットでやるかに関わらず必ず営業所が必要となります。

また、その営業所はどんな場所でも良いというわけではなく、適切な営業所を設ける必要があります。

次に、申請書や添付書類については法律で定められた書類を記入ミスや添付漏れがないように提出しなければなりません。

万が一、記入ミスや記入漏れ、添付漏れがある場合にはそもそも警察署が申請書を受理してくれないケースもあります。

最後に、最も重要なのが古物商の欠格事由に該当しないかどうかです。

この欠格事由に該当する場合には必ず古物商の許可が取れないので絶対に確認するようにしてください。

古物商の10の欠格事由

  1. 破産者で復権を得ない人
  2. 犯罪で処罰を受けてから5年が経過していない人
  3. 反社会勢力と関りがある人
  4. 住居の定まらない人
  5. 古物商の許可を過去に取り消された人
  6. 違反後に古物商の許可証を返納した者
  7. 心身の故障により適正な判断・認識・意思疎通ができない人
  8. 未成年者
  9. 不適任な管理者を選任した者
  10. 法人の役員が①~⑦に該当する

ただし、上記に該当する場合でも例外規定なども設けられているので、上記に該当する人は警察署や行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

古物商の営業所を決める

 

先程も説明しましたが、古物商の許可を申請する場合にはかならず営業所が必要となります。

「ネットで売買するから営業所なんて必要ないんだけど?」と思った方も多いのではないでしょうか?

でも、ネットで売買する場合でも営業所の登録が必ず必要となります。

古物商の営業所とは、古物の売買や交換などを行う拠点となる場所で、どんな場所でもいいというわけではなく、営業所の要件を満たしている必要があります。

古物商の許可申請を行う上での営業所の要件は以下の3つです。

営業所の要件

  • 営業所としての実体を有している
  • 使用権原があること
  • 独立管理できること

営業所としての実体を有しているとは、実際に営業所が物理的に存在している必要があるということです。

ですので、最近流行りのバーチャルオフィスに関しては、実体を有していないので古物商の許可申請における営業所の要件を満たさないことになります。

次に、使用権原があるとは、物件所有者に対して使用する権限を主張できる立場かどうかということです。

一般的に、自身が契約している物件で古物商を取得するケースがほとんどなので問題ないと思いますが、又貸しなどで借りていて、所有者などに使用する権限を主張できないケースなどは注意が必要です。

又、賃貸マンションで使用権原がある場合でも、賃貸契約書の使用目的の欄に「住居用」と記載がある場合には、古物商の許可を使用することで「事業として使用」していると捉えられ、トラブルのもとになるので事前にマンションの所有者や管理会社に確認しておくことをおすすめします。

最後に、独立管理できるというのは、営業所の構造が独立性(個別スペース)を有していることです。

ですので、コワーキングスペースのように、使用権原は与えられているけど、独立性を有しない場合には要件を満たさないことになります。

一方で、一つの個室が割り当てられるようなレンタルオフィスについては、古物商の許可要件をみたしていると言えます。

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管轄の警察署に相談する

 

営業所が決まったら、営業所の所在地を管轄する警察署を確認します。

理由としては、営業所の所在地を管轄する警察署が古物商の申請書を提出先となるからです。

また、もし可能であれば、事前に営業所の所在地を管轄する警察署の窓口に相談に行くか、電話で申請時の注意事項などを確認しておくことをおすすめします。

警察署への事前の相談は、絶対にしなければいけないわけではないのですが、必要書類の不備や申請書の記入間違いがあると、何度も申請書に何度も足を運ばなければなりません。

というのも、この記事では古物商の許可を取得する上での注意点や必要書類等について分かりやすく解説しますが、提出する警察署によって必要な書類や対応が若干異なるからです。

例えば、営業所の賃貸契約書や使用承諾書を求められる地域もあれば、営業所の賃貸契約書や使用承諾書は不要といわれる地域もあります。

ですので、あなたがこれから営業所を構える地域を管轄する警察署に、事前に申請の際に必要な書類や、注意事項等を確認しておくことをおすすめします。

実際に、行政書士が依頼を受けて古物商の申請書を作成する際にも、事前に申請先となる警察署に詳細を確認してから書類の作成に掛かります。

因みに、警察署の窓口に相談に行く場合には、事前に電話でアポイントを取ってから行くことをおすすめします。

なぜなら、警察署には古物商の担当者がいるのですが、古物商の担当者は別の仕事も抱えているので不在の場合や忙しくて対応してもらえない場合もあるからです。

古物商の必要書類を収集する

まずは、古物商の必要書類を収集します。

必要書類については「古物商の必要書類」の記事で詳しく解説しているので、以下では簡単に必要書類をまとめておきます。

因みに、古物商の許可申請に必要な書類は、提出する警察署や個人・法人、申請者の状況によって異なるので注意して下さい。

  個人 法人
申請書 必要 必要
URLの使用権限を疎明する資料
住民票 必要 必要
身分証明書 必要 必要
略歴書(代表者) 必要 必要
略歴書(役員分) 不要 必要
略歴書(管理者分)
誓約書(個人用) 必要 不要
誓約書(役員用) 不要 必要
誓約書(管理者用) 必要 必要
法人の登記事項証明書 不要 必要
定款の写し 不要 必要

因みに、URLの使用権限を証明する書類についてはネットで売買するほとんどの場合には必要ですが、事務所の賃貸契約書や使用承諾書、営業所の見取り図に関してはほとんどの場合には不要です。

又、管理者分の略歴書については代表者や法人の役員が管理者を兼任する場合には省略が可能です。

一方で、誓約書に関しては代表者や法人の役員が兼任する場合でも省略はできず、必ず作成が必要となるので注意してください。

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古物商の申請書を作成する

いよいよここからは、古物商の許可申請におけるメインともなる申請書の作成に入っていきます。

以下では個人と法人のそれぞれの申請書類の作成方法について別々に解説していきます。

個人の古物商申請書類の書き方

まずは個人で古物商の許可を申請する場合の記入方法から解説していきます。(個人の申請書の書き方についてもっと詳しく知りたい方は「個人の古物商申請書の書き方」の記事をご確認下さい。)

個人で古物商の許可を申請する場合に、作成が必要となる可能性がある書類は以下の6種類です。

ただし、地域や申請者の状況によっては不要な書類もあるので、ご自身の状況に合った書類を作成していきます。

個人の申請で作成する書類

  • 申請書(全ての人が作成する必要がある)
  • 略歴書(全ての人が作成する必要がある)
  • 誓約書-個人用(全ての人が作成する必要がある))
  • 誓約書-管理者用(全ての人が作成する必要がある)
  • URLの使用権原を証明する書類(ネットで売買する全ての人が作成する必要がある)

注意ポイント

記載内容はあくまでも一般的な記載例を紹介しているに過ぎず、申請者の申請状況により記載方法は異なるのでご注意ください。 万が一、記載例を参考に申請し、許可が下りなかった場合でも弊所は一切責任を負いませんので、心配な方は警察署や専門家にご相談ください。

 

 

 

ポイント

・許可申請書(個人許可申請用)別記様式第1号その1(ア)

①古物市場主を二重線で消す

②提出する都道府県名を記入する

③申請日は空白のままにして、窓口で提出する時に記入する。

④申請者の名前と住所を記入する

⑤許可の種類は古物商を選択する

⑥氏名を記入する(フリガナの濁点も1マス使用)

⑦法人等の種別は個人を選択する

⑧申請者の生年月日を記入する

⑨申請者の住所を記入する

⑩申請者の電話番号を記入する

⑪「行商する」を選択する→行商とは、露店や催し物場への出店など、訪問販売などの自身の営業所の外で古物営業を行うことです。ですので、特別な事情がない限りは「する」を選択しておいた方がいいです。

⑫主として取り扱う古物を13品目の中から選択します。

(1つだけ選択) ・許可申請書(個人許可申請用)別記様式第1号その2

⑬営業所ありを選択します。(自宅住所で申請する場合は自宅が営業所です。)

⑭営業所の名前・屋号を記入します。(営業所の名前に記号は使えません。)

⑮営業所の住所記を入する。(自宅が営業所の場合には記入は不要ですが電話番号の記載は必要です。)

⑯営業所の電話番号をを入する。

⑰取り扱う古物(主として取り扱う古物を含む)の区分を選択する(複数選択可能)

⑱営業所の管理者の名前を記入します。(申請人が管理人の場合は申請人の名前)

⑲管理者の生年月日を記入します。(申請人が管理人の場合は申請人の生年月日)

⑳管理者の住所を記入します。(申請人が管理人の場合は申請人の住所)

㉑管理者の電話番号を記入する

・許可申請書(個人許可申請用)別記様式第1号その3

⇒営業所を〇〇支店、△△支店のように複数設ける場合には、こちらの申請書に主たる営業所と同様の形式で記入します。

・許可申請書(個人許可申請用)別記様式第1号その4

⇒ホームページや販売サイトを利用して古物の売買を行う場合(営業所の情報や宣伝等の掲載だけなら不要)には、そのホームページや販売サイトのURLを記入します。 誤読の可能性があるアルファベット・数字についてはふりがなを記入します。

 

ポイント

  • 略歴書 申請者の住所・氏名・生年月日、過去5年の職歴を空白期間がないように記入します。また、5年以上前から勤め先が変わっていない場合には、その会社に入社した時から記載します。最後に「現在に至る。」と記入し、書類の記入日と署名をします。(略歴書のもっと詳しい書き方が知りたい方は「古物商の略歴書の書き方」の記事をご確認下さい。)

 

 

ポイント

  • 誓約書 書類を記入した日付、住所、氏名を記入します。誓約書は個人用と管理者用の2枚記入します。これは、代表者と管理者が同じ人であっても2枚提出しなければなりません。「誓約書」という文字の横に「個人用」「管理者用」と記載があるので、記入前に用紙に間違いがないか確認してください。(誓約書のもっと詳しい書き方が知りたい方は「古物商の誓約書の書き方」の記事をご確認下さい。)

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法人の古物商申請書類の書き方

続いては、法人古物商の許可を申請する場合の記入方法から解説していきます。(法人の申請書の書き方についてもっと詳しく知りたい方は「法人の古物商申請書の書き方」の記事をご確認下さい。)

法人で古物商の許可を申請する場合必要となる書類は以下の8種類です。

法人の申請で作成する書類

  • 申請書(全ての法人で作成する必要がある)
  • 略歴書(全ての法人役員分の作成する必要がある)
  • 誓約書-法人役員用(全ての法人役員分の作成する必要がある)
  • 誓約書-管理者用(営業所の管理者となる人の分のみ作成が必要)
  • URLの使用権原を証明する書類(ネットで売買する全ての人が作成する必要がある)
  • 使用承諾書(営業所が賃貸物件の場合のみ)

注意ポイント

記載内容はあくまでも一般的な記載例を紹介しているに過ぎず、申請者の申請状況により記載方法は異なるのでご注意ください。 万が一、記載例を参考に申請し、許可が下りなかった場合でも弊所は一切責任を負いませんので、心配な方は警察署や専門家にご相談ください。

 

 

 

ポイント

・許可申請書(個人許可申請用)別記様式第1号その1(ア)

①古物市場主を二重線で消す。

②提出する都道府県名を記入する

③申請日は空白のままにして、窓口で提出する時に記入する。

④法人の住所・名称・代表者の名前を記入する。

⑤許可の種類は古物商を選択する。

⑥法人の名称を記入する(フリガナの濁点も1マス使用)

⑦該当する法人等の種別を選択する

⑧生年月日の欄は記入しない

⑨法人の住所を記入する

⑩法人の電話番号を記入する

⑪「行商する」を選択する→行商とは、露店や催し物場への出店、訪問販売など、自身の営業所の外で古物営業を行うことです。ですので、特別な事情がない限りは「する」を選択しておいた方がいいです。

⑫主として取り扱う古物を13品目の中から選択します。(1つだけ選択)

⑬代表者を選択する。

⑭代表者の名前を記入する

⑮代表者の生年月日を記入する

⑯代表者の住所を記入する。

⑰代表者の電話番号を記入する。

・許可申請書(個人許可申請用)別記様式第1号その2

⑱営業所ありを選択します。

⑲営業所の名前を記入します。(法人名でも大丈夫でが別に屋号を付けたい場合には屋号をつけても良いです。)

⑳営業所の住所を記入する

㉑営業所の電話番号を記入する

㉒取り扱う古物(主として取り扱う古物を含む)の区分を選択する(複数選択可能)

㉓営業所の管理者の名前を記入します。(申請人が管理人の場合は申請人の名前)

㉔管理者の生年月日を記入します。(申請人が管理人の場合は申請人の生年月日)

㉕管理者の住所を記入します。(申請人が管理人の場合は申請人の住所)

㉖管理者の電話番号を記入する。

・許可申請書(個人許可申請用)別記様式第1号その3

⇒営業所を〇〇支店、△△支店のように複数設ける場合には、こちらの申請書に主たる営業所と同様の形式で記入します。

・許可申請書(個人許可申請用)別記様式第1号その4 ⇒ホームページや販売サイトを利用して古物の売買を行う場合には、そのホームページや販売サイトのURLを記入します。

ホームページに営業所の情報や宣伝等が掲載されているだけで古物取引を行っていない場合や、ホームページがない場合は不要です。 誤読の可能性があるアルファベット・数字についてはふりがなを記入します。

 

ポイント

  • 略歴書 法人の役員全員の略歴書を作成する必要があります。申請者の住所・氏名・生年月日、過去5年の職歴を空白期間がないように記入します。また、5年以上前から勤め先が変わっていない場合には、その会社に入社した時から記載します。最後に「現在に至る。」と記入し、書類の記入日と署名をします。(略歴書のもっと詳しい書き方が知りたい方は「古物商の略歴書の書き方」の記事をご確認下さい。)

 

 

ポイント

  • 誓約書 書類を記入した日付、住所、氏名を記入し、捺印します。誓約書も全ての法人役員と管理者のものが必要となります。「誓約書」という文字の横に「役員用」「管理者用」と記載があるので、「個人用」と間違わないように、記入前に確認してください。(誓約書のもっと詳しい書き方が知りたい方は「古物商の誓約書の書き方」の記事をご確認下さい。)

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警察署に申請書を提出する

 

書類の作成が完了したら、提出前に最後にもう一度、記入漏れがないか、必要書類が全て揃っているかを確認してください。

もし、警察署で必要書類が足りていなかったり、記入漏れがあったりする場合には再度出し直さなければならなくなってしまう可能性があります。

この時も、初めに相談に行った時と同様に、担当者が不在の可能性があるので、事前にアポイントを取って提出に行った方がいいです。

因みに、申請書の1枚目の日付はこのタイミングで記入すると良いです。

なぜなら、先に記入してしまうと、申請書に修正点が見つかったり、添付書類が足りなくて後日提出することになったりした場合に、改めて申請書を作り直さなければならなくなるからです。

また、申請が受理される時に申請手数料の19000円を支払います。

事前に19,000円分の県証紙を購入する場合や、受理後に現金を会計窓口で支払う場合もあります。

警察署によって支払い方法が違うので、申請時の担当者の指示に従ってください。

提出時の質問に備えて回答を事前に考えておく

提出した申請書は、古物担当者が確認してくれるのですが、その際に申請内容について質問される場合があります。

ここでは、行政書士が依頼を受けて提出代行した時に、警察署で受けた質問の一部を紹介します。

はてな

  • どういった古物を販売する予定ですか?
  • 取り扱う古物はどこから仕入れますか?
  • お客さんの来店はありますか?
  • ネットを使って古物を売買しますか?
  • 古物の取り扱いの経験はありますか?
  • 過去に古物商やっていたことはありますか?
  • 管理者の方は、他の古物商の管理者と兼任してないですか?
  • 車(バイク)はどうやって仕入れますか?(自動車商・オートバイ商の場合)
  • 車の保管場所は、古物営業専用で使用できますか?(自動車商・オートバイ商の場合)
  • 事務所は独立性がありますか?
  • 事務所は生活スペースと独立していますか?(営業所を自宅とする場合)
  • 事務所にはカギが掛かりますか?
  • 管理者の方は、古物を扱った経験がありますか?
  • 管理者の方は、古物に関する知識がありますか?
  • 賃貸借契約の更新予定はありますか?(営業所が賃貸借契約の場合)
  • 管理者の方は、営業所まで通勤が可能ですか?
  • 古物の売買はどのように行う予定ですか?
  • 在庫はどこに置く予定ですか?

これから古物商の法律を守らなければならない為、古物商に関する基礎的な知識があるか確認されることが結構多いです。

ただ、質問に答えられないからと言って古物商の申請が不許可となることはないですが、事前に古物商について勉強しておいた方がいいです。

申請書の提出時に持っていくもの

申請書を警察署に提出する際は、以下のモノを忘れずに持っていくようにして下さい。

持参するもの

  • 古物商の申請書類一式
  • 申請手数料19,000円
  • 住民票
  • 身分証明書
  • 委任状(本人以外が申請書を提出する場合)

古物商許可証を受け取る

 

警察署に古物商許可の申請書を提出して、無事に受理されると審査に移ります。

申請書が受理されてから許可の連絡があるまでの期間は、申請書類の審査がスムーズに進めば40日前後で完了します。

この期間中に、申請書の内容をもとに、古物商としての要件をみたしているか、営業所の要件を備えているか、管理人の要件をみたしているかなどが確認されます。

因みに、申請書類に疑義があったり、不審な点がある場合には追加資料の提出が求められたり、警察署よっては営業所に訪れて、古物営業が出来るかどうかの現地調査が行われるケースもあります。

また、審査期間はあくまでも標準審査期間は土日祝日を除く40日なので、実際には40日以上かかることもあります。

なので、余裕を持ったスケジュールで開業準備を進めるようにしてください。

そして、警察署から許可の連絡が電話であるので、警察署に古物許可証を受け取りに行きます。

古物商許可証とは?

古物商許可証とは、古物許可を取得した際に、その証明として発行される許可証の事です。

古物商の許可を取得したら、申請者に対してそれぞれに12桁の許可番号が与えられ、その許可番号が古物許可証に記載されます。

又、古物許可証には更新期限などは設けられておらず、発行されると、古物商の欠格事由が発生した場合や取り消し等がない限りは、一生利用することができるます。

古物商に関する言葉の中で、「古物商」「古物商許可」「古物許可証」を混同している人が多いのですが、厳密に言うと別物です。

「古物商」は古物営業をする“人”のこと。

「古物商許可」とは、古物商として古物営業を行おうとする申請者に対して、公安委員会(警察署)が与える“許可する行為”のこと。

「古物商許可証」とは、公安委員会(警察署)が古物営業の許可を与えた場合に、許可を受けたことを“証明する証書”ことです。

ただし、古物商許可や古物商許可証のことを略して古物商と言われているケースもよくあります。

古物許可証を受け取りに行く時に持っていくもの

公安委員会(警察署)は古物商許可の申請を受けて、許可をした場合には古物商許可証を交付しなければなりません。

申請書を提出して無事に審査が終われば、提出先の警察署から古物許可証が交付される旨の電話があるので、警察署に古物許可証を受け取りに行きます。

その際には以下のようなものが必要となります。

持っていくもの

  • 身分証明書(警察署による)
  • 委任状(申請者以外が受け取る場合)

個人で申請した場合には、申請人の身分証明書を持参することで本人確認ができ、古物許可証を受け取れます。

一方で、法人の場合、代表者以外が受け取るには委任状が必要となるので注意してください。

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古物商の許可取得後にやるべきこと

古物商許可証を取得後6カ月以内に開業する

 

古物商許可証には更新期間はないので、取得するとずっと有効です。

そういう事もあって、中には「いつか使うかもしれないから、取りあえず今のうちに許可だけ取っておこう!」と考える人もいます。

しかし、古物営業の開業予定がないのであれば、古物商の許可取得はおすすめしません。

なぜなら、古物商の許可を取得してから6カ月以上営業を開始しない場合には許可が取り消し事由に該当するからです。

ですので、古物商の許可は古物営業を開始する6カ月以内に取得するようにしましょう。

古物商プレートを作成して掲示する

 

古物商プレートとは、古物営業法施行規則の様式に従って作成された、「許可番号」「取り扱い品目」「商号・名称」が記載された標識の事です。

古物商の許可を取得して、古物営業を営む場合には必ず古物商プレートを公衆の見やすい場所に掲示しなければなりません。

しかも、この古物商プレートは以下のように様式が決まっています。

古物商プレートの様式

  • プレートの材質・・・金属、プラスチック、又はそれらと同等の強度のある素材
  • プレートの色・・・紺色系の背景に白色の文字
  • プレートのサイズ・・縦8cm×横16cm
  • 許可番号・・・古物商許可証に記載されている番号
  • 品目名・・・取り扱う区分の指定の名称を記載
  • 名称・・・称号や氏名などを記載

因みに、古物商プレートに関しては、警察署で古物許可証を受け取りに行く際に説明を受けます。

又、警察署によっては、古物商プレートの購入申し込み用紙を警察署もあります。

但し、警察署で申し込んだ場合には、若干値段が高いのと、手元に届くまでに時間が掛かるので、アマゾンや楽天市場などのネット通販で購入することをおすすめします。

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古物許可証を携帯し必要に応じて提示する

 

古物許可証は古物商プレートのように、どこかに掲示しておかなければいかないというような義務は設けられていません。

しかし、古物許可証の携帯・提示が義務付けられている場合があります。

それは、「行商」「競り売り」を行う場合です。

行商というのは営業所以外の露店や店舗、訪問販売の事で、競り売りというのはオークション等の事です。

行商や競り売りを行う場合には、古物商許可証の携帯が義務付けられており、更に取引の相手方から許可証の提示を求められた場合には、許可証を提示しなければなりません。

税務署に開業届を提出する

 

開業届とは、個人事業の開業を税務署に申告する書類の事です。

古物商の開業届」の記事でも解説していますが、個人事業主として開業すると、銀行口座の開設やオフィスの契約等いろいろな場面で開業届の控えが必要になることがあります。

又、確定申告で節税効果が高くなる青色申告の手続きにも開業届が必要となります。(青色申告には別途、青色申告承認申請書が必要。)

古物商の許可を取得して開業が決まったのであれば、開業日から1カ月以内に管轄の税務署に開業届を提出することをおすすめします。

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開業届と併せて青色申告承認申請書を提出する

 

開業届と併せて提出した方が良いのが「青色申告承認申請書」です。

確定申告には以下の3種類があります。

  • 白色申告(控除なし)・・・帳簿が簡単
  • 青色申告(10万円控除)・・・帳簿が簡単
  • 青色申告(65万円控除)・・・帳簿が複雑

平成26年までは、所得が300万円未満の白色申告は帳簿をつける必要がなかったのですが、平成26年から青色申告(10万円控除)と同じように帳簿をつけなければならなくなりました。

つまり、白色申告のメリットはほぼないのです。

ですので、古物商として開業するのであれば、確定申告においてメリットがある青色申告を申請しておいた方がいいわけです。

因みに、青色申告(65万円控除)を行った場合、最低税率である課税所得が195万円の場合でも9万7500円も支払う税金が安くなります。

つまり、課税所得が195万円以上ある人は、支払う税金の額がもっと得するというわけです。

ただ、「青色申告は帳簿が複雑だから無理かも・・・」と思ったかもしれませんが、会計ソフトを使えば比較的簡単に出来るので安心してください。

勿論、会計ソフトに費用は掛かりますが、それ以上に税金面でメリットが大きいですし、確定申告も自分で行うよりもかなり楽になります。

ですので、開業届と併せて「青色申告承認申請書」を提出することをおすすめします。

因みに、「青色申告承認申請書」を提出しても、白色申告で確定申告することもできるので、取りあえず出しておくというのもアリだと思います。

確定申告が楽になる会計ソフトを導入する

 

そして、恐らく古物商を個人事業主で開業する多くの人が心配なのが確定申告ではないでしょうか?

でも、安心してください。

最近は、スマホで簡単に確定申告をできるような会計ソフトもでています。

特におすすめなのは、「マネーフォワード クラウド確定申告」です。

家計簿アプリのマネーフォワードが作った会計ソフトだから、操作性も良くて簡単にスマホで確定申告が出来ます。

古物商の税金の勉強をする

 

法人として古物商の許可を取得している方に関しては、税理士さんに依頼して決算や確定申告を行うので、特に税金に関する不安はないと思います。

ただ、これから個人事業主として古物商を開業する方は、少なからず税金や確定申告に関する不安を持っているのではないでしょうか?

そんな方におすすめしたい書籍が「お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!」です。

この書籍は何がおすすめかと言うと、漫画なので読みやすく、内容もできるだけ分かりやすく書かれている点です。

しかも、フリーランス(個人事業主)に特化した内容になっているので、自分の状況に置き換えて読むことで、より税金に対して深く理解しやすくなっています。

ですので、これから個人事業主として古物商を開業される方で、税金について不安がある方はこの書籍を読んでみることをおすすめします。

本人確認と取引記録をつける

 

古物商は古物営業法という法律で、古物営業を営む上で守らなければならない義務が色々とあります。

そして、その中でも特に取り上げられることが多い3つの義務は、古物商の三大義務と呼ばれています。

  1. 本人確認の義務
  2. 取引の記録義務
  3. 不正品の申告義務

古物営業において古物商の許可制を採用した目的は、「盗品等の売買の防止、速やかな発見、窃盗の抑制、被害の迅速な回復」であり、この三大義務はそれらを達成する為に設けられています。

因みに③の不正品の申告義務は犯罪被害の疑いがある商品が持ち込まれた場合に警察に申告しなければならないことをいいます。

そして、上記の三大義務を守らなかった場合には、営業停止や許可の取り消しだけではなく、6カ月~3年の懲役又は10~100円の罰金に処される可能性があります。

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古物商許可の書換申請・変更届

 

古物商の許可取得後に、古物商の申請内容に変更があった場合には変更の手続きをしなければなりません。

そして、古物商の変更手続きには「変更届出」「書換申請」の2種類があります。

この2つの違いは何かというと、変更内容の違いです。

  変更届出 書換申請
手続内容

上記の内容を見てもらうとわかりますが、古物商許可証に記載されている内容が変わる場合には「書換申請」となり、それ以外の場合には「変更届出」となります。

古物商の変更手続きの書き方については「古物商の変更届」で、いろいろな変更届の書き方を紹介していますので、是非参考にしてください。

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書換申請・変更申請は提出期限が異なる

 

古物商許可の内容に変更が発生した場合に期限内に変更しなければなりません。

そして、その提出期限というのは変更内容によってことなります。

提出期限 変更の日から3日前まで 変更の日から14日以内
手続内容
  • 営業所が移転した
  • 営業所を増やした
  • 営業所を廃止した
  • 営業所の名称を変更した
  • 主たる営業所が変わった
  • 許可者の氏名又は名称の変更
  • 許可者の住所又は居所の変更
  • 行商する・しないの変更
  • 法人許可の代表者の交替
  • 代表者の氏名の変更(改名・婚姻など)
  • 代表者の住所変更

因みに、古物商の変更届出を出さなかったな場合には10万円以下の罰金や、最悪の場合には許可の取消などもあり得ます。

また、上記の期限を過ぎてしまった場合には遅延理由書という書類の作成を求められることもあるので、期限内に必ず提出するようにしてください。

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古物商の許可に関するよくある疑問

古物商を取得するメリットとデメリットは?

 

古物商の必要性を理解し、古物商の取得を検討するタイミングで、古物商にはどのようなメリットとデメリットがあるのか気になるかと思います。

そこで以下では古物商のメリットとデメリットについて簡単に解説します。

古物商のメリット

  1. 中古品の売買ができる
  2. 古物市場に参加できる
  3. 税金が抑えられる
  4. 信用力を得られる

古物商のデメリット

  1. 申請の手続きが面倒
  2. 取るのに費用が掛かる
  3. 取得後の手続きも面倒
  4. 見回り・立入調査のリスクがある

まず、古物商の最大のメリットは何といっても古物市場で仕入れができるようになるという点です。

古物商を持っている人だけが参加できる業者専用の仕入店みたいなイメージで、一般市場では手に入らないような低価格で商品をたくさん仕入れられます。

また、その他にも事業として中古品の売買を行っていることが証明されるので、信用力が増して融資を受けられたり、税金面で優遇されたりします。

一方で、古物商を取得する上での最大のデメリットは手続きの面倒さと取得費用です。

古物商は警察署に申請書を提出することで取れるのですが、申請書の作成や必要書類を収集しなければならず、今まで行政手続きをしたことがない人にとってはかなり手続きが面倒です。

また、警察署への申請手数料を支払わなければならず、万が一不許可になった場合には申請手数料は返金されません。

これだけを見ると、正直言って古物商を取るのはデメリットの方が多いように思えますが、そもそもお金を稼ぐ目的で中古品を売買する場合には必ず必要な許可なので取る以外の選択肢はありません。

もっと、詳しく知りたい方は「古物商のメリットとデメリット」の記事を読んでみてください。

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古物商の許可を取得する難易度は?

 

お金を稼ぐ目的で中古品を売買したいから古物商を取りたいけど、古物商って誰でも取れるものなのか気になりますよね。

ただ、以下のような理由から、古物商の許可を取得する難易度はそこまで難しくないので、誰でも比較的簡単に取得が可能です。

  1. 古物商の要件の難易度が低い
  2. 取得にかかるコストが低い
  3. 営業所の要件は少しだけ高い

まず、①の古物商の要件についてですが、犯罪歴や反社会勢力との関りがない場合にはクリアすることができるので、ほとんどの人は大丈夫だと思います。

次に②の古物商の許可を取得するコストについても、他の営業許可と比較するとかなり安い価格で取得することができます。

そして、③の営業所の要件ですが、古物商はどこでも取得できるというわけではなく、実在する自分が使用権原を有する固定の場所でなければなりません。

また、賃貸の一軒家や賃貸マンションの場合には、賃貸契約書や管理規約によって事業を行う事を禁止されているケースも多く、営業所を準備できずに取得を断念する人もいます。

因みに、ネットで中古品を売買する場合でも、古物商の申請には営業所が必要となるので注意が必要です。

古物商の取得難易度についてもっと詳しく知りたい方は「古物商の資格難易度」の記事で詳しく解説しています。

  事務所要件
店舗・事業用事務所
バーチャルオフィス
フリーアドレスのレンタルオフィス
個室のレンタルオフィス
自己所有の一軒家
賃貸の一軒家
自己所有のマンション
賃貸のマンションアパート

古物商を取るのに掛かる費用は?

 

古物商は警察署に申請することで許可を取得できるのですが、申請書を提出する際に警察署に申請手数料を支払わなければなりません。

また、申請書に添付する必要書類などを収集する際に支払う手数料などもかかります。

では、具体的にどれぐらいの費用が掛かるかというと、個人と法人で費用は以下のような内訳となります。

詳しくは「古物商の費用」の記事をご確認下さい。

  個人 法人
申請手数料 19,000円 19,000円
公的書類の取得費用 1,000円前後 1,600円前後
古物商プレート作成費用 1,500円前後 1,500円前後
合計 約21,500円 約22,100円

行政書士に依頼すると+5万円必要

上記の費用は古物商の許可を自分で申請した場合に掛かる費用ですが、行政書士に申請書の作成を任せて古物商の許可を取得する場合には別途費用がかかります。

もちろん、自分でいろいろ調べたり警察署にいって相談して頑張って申請すれば自分でもできなくはないのですが、時間がかかったり、不許可の場合には申請手数料の1万9千円が返却されない為、行政書士に依頼するケースも多いです。

そして、古物商の代行を依頼した場合の古物商代行費用の平均相場は53,585円となっています。

ですので、もし古物商の申請を行政書士に依頼して取得した場合に掛かる費用は以下となります。

  行政書士に依頼した場合
申請手数料 19,000円
公的書類の取得費用 1,000円前後
古物商プレート作成費用 1,500円前後
行政書士報酬 53,585円(※)
合計 約75,000円前後

※令和2年度の日本行政書士会報酬統計調査

因みに、この金額は日本行政書士会が5年に一度実施している報酬統計調査の令和2年の調査結果によって公表されているもので、実際に行政書士事務所によってはかなり価格差があるので参考程度に考えることをおすすめします。

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古物商を取るのにかかる期間は?

 

古物商は手続きをはじめてからどれぐらいの期間で取得できるのかというと、「古物商の期間」でも詳しく解説していますが、基本的には60日程度で取得することが可能です。

  期間
申請の準備期間 約10日
書類の収集・作成期間 約10日
警察署の審査期間 約40日
合計 約60日

ただし、これはあくまでも目安期間で実際は申請の準備や書類作成にもっと時間がかかってしまう可能性があります。

ですので、もしできるだけ早く古物商の許可を取りたいという場合には行政書士に依頼することをおすすめします。

因みに、私はこれまでに古物商の代行をした中で最短で古物商の許可を取得できたのは依頼を受けた18日後に古物商の許可がもらえたことがあります。

とは言え、これだけ早く取得できるケースはかなり珍しいので、仮に専門家に依頼したとしても30~50日程度はかかると考えておいた方が良いです。

因みに、古物商には有効期限はないので、一度取得してしまえば一生使い続けることができます。

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古物商の許可に有効期限は?更新費は?

 

古物商の許可の費用や期間についてもう一点気になることがあると思います。

それは古物商の許可の有効期限や更新費用はどれぐらいかということです。

結論から先に言うと、古物商は有効期限も更新費用も一切ありません。

つまり、古物商許可証が発行された場合には、取り消しなどが行われない限り古物商許可は一生有効なのです。

ただし、申請内容に変更があった場合には1500円程度の変更手数料がかかるケースもあるので、それでもかなりコスパが高いと言えます。