古物商取得後の手続

古物商プレートの説明書|個人事業主の表記は?どこに掲示?自作は?

古物商プレートの入手方法は?
どのに設置すればいい?
自作で作っても良いの?
古物商の初心者
古物商の初心者

古物商許可の取得後に必要となる古物商プレートですが、どうやって入手すればいいのでしょうか?

また、個人の場合の表記方法やプレートの設置場所などについても気になるかと思います。

そこで、この記事では古物商プレートに関するさまざまな疑問について説明書のように詳しく解説します。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。古物商専門の行政書士。古物商の許可に関するメディアサイト「古物商の学校」を運営しており、古物商の許可取得実績500件以上。古物商許可の取得率100%。
 

古物商プレートを営業所に掲示しなければならない

古物商プレートとは古物商の許可に関連する以下の情報が記載された標識のことです。

  • 許可を受けた公安委員会名
  • 許可番号
  • 商の名称
  • 許可者の名称

そして、古物商の許可を取得して営業する場合は、古物商プレートを営業所に掲示しなければならないと法律により定められています。

なぜ古物プレートの掲示しないといけない?

公安委員会から古物商の許可を受けたのであれば、わざわざ古物商のプレートを掲示する必要はないように感じます。

それなのに、なぜ古物プレートの掲示を法律で義務付けているのでしょうか?

それは、古物商の許可を受けているかどうかを容易に判断して、無許可営業者を排除する為です。

例えば、古物プレートの掲示を義務づけていなければ、古物プレートを掲示していないお店が古物営業を行っていても無許可かどうかを判断できません。

ですが、古物プレートの掲示を義務づけていると、古物プレートを掲示せずに古物営業を行っていた場合は、無許可営業だと容易に判断することが出来るわけです。

また、取引をしようとしている人に対しても、古物商の許可の有無を確認することができれば、無許可営業の古物商との取引を避けることも可能だからです。

因みに、古物商プレートを掲示しなかった場合に10万円以下の罰金が科される可能性があるので注意して下さい。

仮説店舗でも古物商プレートの掲示が必要

古物商のプレートを掲示しなければならないのは営業所だけではありません。

実は、仮設店舗で営業を行う場合にも古物商プレートの掲示が義務づけられています。

仮説店舗とは、デパートや催事場のイベントブースや屋台などの簡易に移動できる店舗のことで、警察署に事前に届出を提出することで営業所とは別の場所で古物営業を行う事ができるのです。

ですので、仮設店舗で古物営業をする場合には古物商プレートを持参するようにしましょう。

古物商プレートには決まった様式がある

古物商プレートはどんなものでも良いというワケではなく、以下のように決まった様式に従ったプレートを掲示しなければなりません。

古物商プレートの様式

  • 材質・・・金属、プラスチックまたは、それらと同等程度以上の強度がある材質
  • ・・・紺色系の背景に白色の文字
  • サイズ・・・縦8cm×横16cm
  • 番号・・・古物商許可証の番号を記載
  • 商の名称・・・取り扱う区分を記載
  • 名称・・・古物商の名称または、氏名を記載

上記の様式をもとに、古物商プレートを作成しなければなりません。

因みに、商名に関しては2つ以上の区分にかかる古物を取り扱う場合には、申請時に「主として取り扱う区分」で選択した商の名称を記載します。

以下に、取り扱い商品と記載する商の名称は以下のようになります。

主に取り扱う古物の分類 古物商プレートの表示
美術品類 美術品商
衣類 衣類商
時計・宝装飾品類 時計・宝装飾品商
自動車 自動車商
自動二輪車及び原付自動車 オートバイ商
自転車類 自転車商
写真機類 写真機商
事務機器類 事務機器商
機械工具類 機械工具商
道具類 道具商
皮革・ゴム製品類 皮革・ゴム製品商
書籍 書籍商
金券類 チケット商

基本的な商の記載方法は、取り扱い区分に「○○類」と表記されているものは“類”を“商”に変えるだけで大丈夫です。

ただ、衣類に関しては、“類”を残したまま「衣類商」となる点に注意が必要です。

また、「自動二輪車及び原付自動車」は「オートバイ商」、「金券類」は「チケット商」と名称が変わる点にも気を付けてください。

古物商プレートはどこに設置すればいい?

古物商プレートはどこにでも設置をしていいわけではなく、公衆の見やすいところに設置しなければなりません。

つまり、お客さんが確認しやすい場所に設置する必要があります。

また、古物商プレートはお店の中でも、お店に設置しても特に問題はありません。

ですので、例えばレジ横の壁に設置しても良いですし、お店の入り口の壁に設置しても大丈夫です。

一方で、公衆の見やすい場所以外に設置した場合には、法律違反となるので注意して下さい。

例えな、トイレやバックルーム、お客さんが通常立ち入らない場所に掲示している場合や、前に商品などが展示されていて古物商プレートが見えない場合場所です。

自宅が営業所の場合はどこに設置すればいい?

インターネットでの売買をメインとして行う場合、自宅を古物商の営業所として申請している方も多いと思います。

そして、ネットだけで売買を行う場合でも古物商プレートは掲示しなければないません。

では、自宅のどの場所に設置すればいいのかというと、営業所(部屋)の見えやすい場所に設置すれば問題ありません。

というのも、古物商プレートは営業所における公衆の見えやすい場所に設置すればいいため、自宅の一室が営業所であれば部屋の見えやすい場所に設置すれば問題ないからです。

ただし、警察署によっては部屋だと公衆から見えないから、外からでも見える玄関の表札部分等に設置するようにといわれるケースもあります。

ですので、もし自宅での古物商プレートの設置位置に不安がある場合には、管轄の警察署に確認しても良いかと思います。

古物商プレートを入手する方法は6つ

冒頭でも解説したように、古物商の許可を受けて古物営業を行う場合には古物プレートを掲示しなければなりません。

そして、この古物プレートを入手する方法は以下の6つあります。

  1. 警察署で申し込む
  2. 古物防犯協会で購入する
  3. 承認団体から購入する
  4. ネット通販で購入する
  5. ホームセンター等で作成する
  6. 自分で作成する

古物商プレートを警察署で申し込み

古物商の許可証を受け取りに所轄の警察署に行った時に、古物商プレートについても説明を受けます。

その際に、警察署によっては古物商プレートの申し込み用紙を貰えるところもあります。

因みに、警察署で貰える申込用紙で古物商プレートを申し込む、次で紹介する古物防犯協会から購入することになります。

古物商プレートの費用は2,000円~3,000円前後です。

古物商プレートを古物防犯協会で購入

古物防犯協会とは、警察と地域住民とが連携を図り、効果的な防犯活動が推進し、飛行のない安全なまちづくりを実現する事を目的に作られた団体です。

購入方法は、各都道府県の古物防犯協会のホームページから申し込み用紙をダウンロードして申し込みします。

購入費用に関しては2,000~3,000円と、各都道府県によって若干価格差があるので、3,000円前後で販売されている場合にはネットで購入した方が安く購入できるかもしれません。

古物商プレートの作成には3~4週間程度掛かるので、古物商の許可番号がわかった早い段階で申し込んでおくことをおすすめします。

古物商プレートを承認団体で購入

古物商プレートの様式の部分のところで、様式に沿ったプレートを作成する必要があると解説しましたが、実は例外も設けられています。

それは、国家公安委員会又は、公安委員会から認証を受けた団体の様式で作成された古物商プレートです。

具体的には、「社団法人日本中古自動車販売協会連合会」「全国刀剣商業協同組合」「日本チケット商協組合」の様式であれば例外として認められます。

ですので、古物商営業においてこれらの団体に加入する場合には、各団体にプレートの作成に関して相談してみるのが良いと思います。

古物商プレートをインターネットで購入

古物商のプレートはアマゾンや楽天市場などのインターネットでも購入できます。

しかも、価格は2,000円前後と安いく、注文から発送までの期間は2~3日なので、古物防犯協会で購入するよりも安い上に早いです。

なので、個人的には警察署で申し込んで古物防犯協会で購入するよりは、ネットで購入することをおすすめします。

ホームセンター等で作成する

古物商の許可はネットでも購入できますが、ホームセンター内にある表札などを作成している店舗でも取り扱っている場合が有ります。

費用は店舗によっても異なるのですが、平均的な相場としては3,000円前後なので、ネット通販と比較すると少し高いです。

ただ、ホームセンターで作成すると、古物商プレートの様式に合っているかを店主に相談しながら作成できるという点はメリットです。

また、全てのホームセンターで取り扱いがあるわけではなく、又、表札を扱っているお店でも古物プレートを扱っていない可能性もあるので事前に店舗に確認することをおすすめします。

古物商プレートを自作する

古物商プレートに関しては古物営業法規則で様式は定められていますが、自作してはいけないとまでは定められていません。

つまり、規則で定められた様式に合致していれば、自作した古物プレートも有効に取り扱われます。

ですので、自分でプレートを作成することが可能なのであれば、自作してみてもいいかもしれませんね。

古物商プレートの自作をする上での注意点

上記でも少し解説しましたが、古物商プレートは自作しても問題ありません。

ただし、古物商プレートを自作する場合には以下の点に注意をして下さい。

自作する上での注意点

  1. 金属、プラスチック等の硬い板を使用する
  2. サイズは縦8cm×横16cmの大きさいにする
  3. 紺色系の板に白色の文字を使う
  4. 必要事項を記載する

プレートの素材に決まりはありませんが、強度が高い板を使用しなければなりません。

具体的には、金属やプラスチックと同等程度以上の強度がある材質の物を使用しなければならず、紙や薄手の板などは適していません。

また、サイズは縦8cm×横16cmだけではなく、プレートの色や文字の色にも決まりがあるので、勝手にサイズや色をアレンジしないようにしてください。

又、プレートに記載する内容についても、「許可を受けた公安委員会の名前」「許可番号」「商の名称」「古物商の氏名又は名称」の4つを必ず記載するようにしましょう。

個人事業主の古物商プレートの表記例

古物商のプレートには「古物商の氏名又は名称」を記載します。

申請者が法人であれば、法人名を記載するれば問題ありませんが、個人事業主の場合には屋号と名前のどちらを記載すればいいのでしょうか?

結論から先にいうと、個人事業主の場合には屋号ではなく個人の名前を記載しなければなりません。

ですので、例えば個人事業主で「〇〇リサイクル」というお店を営業している場合でも、古物商プレートにの名称の部分は「〇〇リサイクル」ではなく個人名を記載しなければなりません。

これは古物商の許可を受けている人が誰なのかを明確に示すためです。

ネットで古物営業をする場合にも古物商の表記が必要

店舗で古物営業をする場合だけではなく、ホームページなどのインターネットを利用して古物営業を営む場合にも、その取り扱う古物に関する事項と共に、氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称や、許可証の番号などをホームページに掲載することが義務付けられています。

そして、原則としては許可証の番号等は取り扱っている古物のページごとに表示しなければなりません。

ただ、それぞれの商品ごとに表示しなくても、古物商許可証の番号をトップページ表示するか、もしくは、許可証の番号を掲載しているページへのリンクをトップページに設定することも認められています。

逆に言うと、トップページに「古物営業の規定に基づく表記はこちら」というリンクが設定されていなければ、それ以外のページに「古物営業の規定に基づく表記はこちら」というリンクがあっても表示義務は満たしていないことになります。

氏名又は名称と屋号の表記について

ホームページで掲載されている「古物商の氏名又は名称」は「古物商許可で申請した氏名又は名称」を記載しなければなりません。

例えば、古物商許可を個人の氏名で申請し、許可を得たのであれば、ネットで「〇〇リサイクルショップ」というような屋号の表記は出来ません。

もし、許可証に記載されていない氏名又は名称をホームページに掲載して古物営業を行った場合には、無許可業者が許可を受けた業者になりすましていると誤解を与える可能性があるからです。

ですので、古物商のホームページの真実性を担保するためにも、ホームページに記載する氏名又は名称は古物商許可証に記載された氏名又は名称を使用するようにしてください。

古物商プレートの作成方法まとめ

この記事のまとめ

  • 古物商プレートの掲示は義務
  • 古物商プレートには決まった様式がある
  • 購入は古物防犯協会、ネット通販、ホームセンター等で可能
  • 様式に従っていれば自作の古物商プレートでも有効

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