古物商について学ぶ

古物商の申請費用は?|個人・法人別や代行料金の平均相場まで解説!

古物商の取得費用はどれぐらいかかるの?
行政書士の代行費用の相場や更新費・年会費などの維持費についても知りたい。
古物商の初心者
古物商の初心者

古物商を取ろうと考えた時に気になるのは、古物商の申請にかかる費用ではないでしょうか?

古物商は個人・法人のどちらで取るかや、誰が管理者になるか、法人の場合には何人役員がいるかによって費用が異なります。

また、行政書士に依頼した際の代行費用の相場や、古物商を取った後の更新費用や年会費等の維持費がいくらかかるのかも気になるところだと思います。

この記事では、個人・法人別の費用や行政書士に代行を依頼した場合の平均的な相場、古物商の取得後に掛かる費用について解説します。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。古物商専門の行政書士。古物商の許可に関するメディアサイト「古物商の学校」を運営しており、古物商の許可取得実績500件以上。古物商許可の取得率100%。
 

古物商の申請にかかる費用とその内訳

個人 法人
申請手数料 19,000円 19,000円
公的書類の取得費用 1,000円前後 1,600円前後
古物商プレート作成費用 1,500円前後 1,500円前後
合計 約21,500円 約22,100円

古物商を申請する際の法人と個人の費用は上記のようなう内訳となり、個人と法人ともに22,000円前後で取得することが可能です。

申請手数料は19,000円

古物商の申請は警察署に行うのですが、その際に申請手数料として19,000円を警察署の会計窓口で支払います。

そして、この申請手数料について注意しなければならないのが、申請が不許可となった場合には申請手数料19,000円は返却されない点です。

というのも、手数料はあくまでも審査に関する手数料であって、許可を取得するための費用でないからです。

ですので、古物商の許可を申請する際には、古物商の取得要件を満たしているかや、営業所の管理者の選任が適正か、記入内容に間違いがないかなどを事前にしっかりと確認してから申請するようにしてください。

そうでなければ、せっかく手数料を支払って申請しても、不許可になって19,000円が無駄になってしまう可能性もあります。

また、もし、自分で要件の確認をするだけでは不安だという場合には、管轄の警察署や、古物商の許可を専門に取り扱う行政書士などに相談するといいです。

公的書類の取得費用は1,300円前後

古物商の申請で必要となる公的書類は以下の3つです。

  • 住民票・・・200円~300円
  • 身分証明書・・・300円~600円
  • 法人登記簿(法人の場合)・・・600円

個人で申請する場合には住民票と身分証明書が必要となり、地域によって取得費用は異なるのですが両方合わせて1,000円前後で取得が可能です。

一方、法人で申請する場合には住民票と身分証明書に加えて、法人の登記簿謄本が必要となるので1,600円前後が必要となります。

また、後に詳しく説明しますが、法人で申請する場合には代表取締役だけではなく、法人の全ての役員の住民票と身分証明書が必要となるので、役員が複数いる場合にはもう少し費用がかかります。

その他、身分証明書については本籍地がある市区町村役場でしか取得できないので、本籍地が遠方にある場合には郵送により請求する必要があるので郵送費などもかかってきます。

個人と法人のどちらで申請をすべき?

古物商の申請は個人と法人で必要な書類が異なるので、個人と法人で費用や手続きの複雑さが異なります。

そこでよく『個人と法人のどちらで許可を取ればいいですか?』と質問されます。

この点についてですが、中古品を買い取ったり販売したりするのは誰なのかが重要となります。

例えば、法人があるけど、中古品の売買はあくまでも個人で行い、売り上げなども個人につけて、個人で古物営業の確定申告を行う場合には個人で取得しても大丈夫です。

一方で、代表取締役しかいない一人法人だったとしても、中古品の売買は法人で行い、売り上げも法人につけて決算を行うという場合には法人で取得しなければなりません。

もし、個人で取得した古物商を法人で使った場合には、『名義貸し』や『無許可営業』という違法行為として取り扱われます。

ですので、中古品の売買等を法人で行う場合には必ず法人で取得するようにしてください。

個人の古物商の申請費用をケース別で紹介

個人(1人)で古物営業をする場合

代表者が管理者
申請手数料 19,000円
住民票+身分証明書(1名分) 1,000円前後
古物商プレート作成費用 1,500円前後
合計 約21,500円

個人で申請する場合に最も多いのがこちらのパターンで費用は21,800円前後となります。

因みに、取り扱う古物の数やネットを利用するかどうかでなのでは費用は変わらないので安心して下さい。

代表者とは別に管理者を別に設ける場合

代表者と管理者が別
申請手数料 19,000円
住民票+身分証明書(2名分) 2,000円前後
古物商プレート作成費用 1,500円前後
合計 約22,500円

自分が個人事業主の代表で、従業員に店長として店舗管理を任せたり、古物売買の全般を任せる場合です。

この場合には、代表者の住民票や身分証明書とは別に、管理者となる従業員の住民票や身分証明書が必要となります。

2店舗で営業する場合(1店舗は代表者が管理者)

代表者も従業員も管理者
申請手数料 19,000円
住民票+身分証明書(2名分) 2,000円前後
古物商プレート作成費用(2店舗分) 3,000円前後
合計 約24,000円

新規でお店を2店舗出店する場合です。

この場合、それぞれの店舗に管理者を1人おかなければならない為、代表者とは別にもう1人別の従業員が2店舗目の管理者となる必要があります。

店舗数が増えても申請手数料は変わりませんが、各店舗に管理者と古物商プレートが必要となるのでその分だけ費用は増加します。

注意ポイント

古物営業法の法律改正により、2020年4月以降は複数店舗を出店する場合でも申請手数料は19,000円となっています。ネット上では出店する店舗数によって申請手数料が増えると解説されている古い誤情報もありますのでご注意下さい。

法人の古物商の申請費用をケース別で紹介

1人法人の場合(代表取締役が管理者)

1人で古物営業をする場合
申請手数料 19,000円
住民票+身分証明書(1名分) 1,000円前後
法人登記簿 600円
古物商プレート作成費用 1,500円前後
合計 約22,100円

1人法人で古物商を申請する時の最も多いパターンがこちらで費用は22,100円前後です。

個人に比べて法人の申請では作成する書類は増えますが、実際にかかる費用は個人とほとんど変わりません。

代表取締役1人(管理者)+役員2人の場合

法人役員が複数いる場合
申請手数料 19,000円
住民票+身分証明書(3名分) 3,000円前後
法人登記簿 600円
古物商プレート作成費用 1,500円前後
合計 約24,100円

代表取締役以外に役員が複数いる場合にはその全ての役員の住民票と身分証明書が必要となります。

因みに、役員には法人の登記簿謄本に記載されている取締役だけではなく、監査役なども含まれます。

代表取締役1人+役員3人+2店舗経営(役員以外が管理者の場合)

法人役員複数+店舗複数の場合
申請手数料 19,000円
住民票+身分証明書(6名分) 6,000円前後
法人登記簿 600円
古物商プレート作成費用 3,000円前後
合計 約28,600円

大きな会社でよくあるパターンで、代表取締役以外に役員が複数いて、店舗の運営についても従業員に完全に任せるパターンです。

この場合には、全ての役員の住民票と身分証明書に加えて、2つの店舗にそれぞれ別の管理者を設ける必要があるので、その管理者となる従業員の住民票と身分証明書も必要となります。

また、古物商プレートについてもそれぞれの店舗で作成しなければなりません。

注意ポイント

古物営業法の法律改正により、2020年4月以降は複数店舗を出店する場合でも申請手数料は19,000円となっています。ネット上では出店する店舗数によって申請手数料が増えると解説されている古い誤情報もありますのでご注意下さい。

行政書士の古物商の申請代行料金の相場は5万円前後

行政書士に依頼した場合
申請手数料 19,000円
公的書類の取得費用 1,000円前後
古物商プレート作成費用 1,500円前後
行政書士報酬 53,585円(※)
合計 約75,000円前後

※令和2年度の日本行政書士会報酬統計調査

古物商は警察署に相談にいったり、ネットで検索して調べながら自分で申請することも可能です。

そして、その際の費用というのがここまでで紹介してきた費用となります。

一方で、古物商は専門家である行政書士に依頼して申請することも可能なのですが、行政書士の古物商代行費用の相場は平均は53,585円となっております。

この数字は日本行政書士会が5年に一度実施している報酬統計調査の令和2年の調査結果によって公表されているものです。

ただし、行政書士の報酬というのはその事務所によってかなり大きな差があるので、平均相場である53,585円は参考程度に考えておいた方が良いかと思います。

因みに、弊所では古物商の申請代行費用は個人の場合には25,850円、法人の場合には34,650円となっております。(警察署への申請手数料19,000円は別途必要です。)

行政書士に依頼すると費用が高いけど・・・

自分で古物商の許可を取得する費用と、行政書士に依頼した場合の“費用だけ”を比較すると高いと感じてしまうかもしれません。

ですが、古物商の許可を取得する上で、下調べの時間や警察署での相談、必要書類の収集や書類の作成など、初めて手続きを行う人にとっては思っている以上に時間と労力が必要となります。

更に、自分で古物商の許可申請をした場合には、許可要件をしっかりと確認せずに申請して不許可になってしまうリスクもあります。

そして、万が一不許可になってしまった場合でも、冒頭で紹介したように、古物商の許可申請の手数料19,000円は返却されません。

その他、警察署によっては担当者の対応が悪く、高圧的に申請内容について質問されたり、申請書の記載内容の修正を求められたりすることもあるので、申請に慣れていない人にとっては精神的に負担に感じてしまうケースも多いです。

ですので、確かに行政書士に依頼する場合の費用だけを考えると高いと感じてしまうかもしれませんが、時間・労力・リスク・精神的負担などをトータルで考ええると、行政書士に依頼するという選択肢もアリではないでしょうか。

古物商の更新や変更などの維持費はどれぐらい?

ここまでは古物商の許可を取得するまでにかかる費用について解説してきました。

ただ、古物商を取得した後にも、いろいろお金が掛からないか心配ですよね。

そこで、ここからは古物商を取得した後にどれぐらいの費用がかかるのかについて解説していきます。

古物商の更新費や年会費は0円

まず、はじめに最も気になるのが古物商に年会費や更新費などはあるかだと思います。

ただ、先に結論からいっておくと、古物商に年会費や更新費などはありません。

しかも、古物商は許可の有効期限もないので、一度取得すると基本的には無料でずっと使い続けることができます。

ただし、確かに有効期限はありませんが、違法な取引をしたり、古物商に義務付けられている手続きを怠ったり、次に紹介する変更手続きをしなかった場合には、許可の取消や許可が失効してしまう可能性もあります。

古物商の変更費用は1500円かかる

古物商の申請内容に変更があった場合には、警察署に変更届を提出する必要があります。

そして、その変更届の中には無料で受け付けてくれる届出もあれば、1500円の手数料がかかる届出もあります。

そして、具体的には以下のような変更があった場合にはのみ手数料を払って変更手続きを行わなければなりません。

  • 個人の名前が変わった場合(個人の場合)
  • 個人の住所が変わった場合(個人の場合)
  • 法人の名称が変わった場合(法人の場合)
  • 法人の住所が変わった場合(法人の場合)
  • 法人の代表者が変わった場合(法人の場合)
  • 行商の『する』・『しない』に変更があった場合

因みに、かなりイレギュラーではありますが、平成30年に古物営業法に関する大改正が行われたのですが、その際に古物商の許可を受けている人は全員「主たる営業所等届出書」という書類を提出しなければなりませんでした。

そして、もしその届出を期限までに提出できなかった場合には、古物商の許可が失効してしまうという対応がとられ、届出をしなかった多くの方の古物商が失効しました。

失効してしまった場合には、再度、新規で古物商の許可を取得する必要があり、もう一度申請手数料の19000円を支払わなければなりませんでした。

ですので、古物商の許可が取消・失効にならない為にも、警察署からくる案内にはしっかりと目を通し、変更事由などが発生した場合には変更届を必ず提出するようにしてください。

個人から法人成する場合には22,000円かかる

個人で古物商の事業が軌道にのってきて、法人化して事業をより大きくしていこうという方も多いです。

そして、この場合にも費用が発生してしまいます。

しかも、個人から法人への変更手続きはできず、法人として新たに古物商の許可を取得しなければなりません。

つまり、新規で取得する時と同じだけの費用が必要となってしまします。

行政書士 長島
行政書士 長島
もし、ある程度すぐに法人化を検討しているのであらば、法人を設立してから古物商を取得した方が費用をかなり抑えられるので検討してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

この記事のまとめ 

  • 古物商の個人の取得費用は約21,500円
  • 古物商の法人の取得費用は約22,100円
  • 行政書士への古物商代行費用は約50,000円
  • 古物商の維持費・年会費は0円

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古物商の学校では古物商に関する基礎知識から古物商の取り方や、古物商の取得後に必要な手続き、古物商の変更手続きに至るまで専門家が徹底的に解説しています。

 

古物商について分からないことがあれば、是非、『古物商の学校』で検索してみてください。

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