身分証明書はどこで取れるの?
古物商の申請には身分証明書という書類が必要なのですが、どのような書類かわからないですよね?
運転免許証や保険証、マイナンバーカードを提出すればいいのでしょうか?
そこでこの記事では「身分証明書とはどのような書類なのか?」や「身分証明書はどこで取れるのか?」について解説します。
古物商の申請に必要な身分証明書とは?
古物商の申請に「身分証明書」という書類が必要となります。
そして、この身分証明書はよく運転免許証や保険証、マイナンバーカードと本人確認書類と勘違いしてしまう人も多いです。
しかし、古物商に必要な身分証明書は運転免許証や保険証、マイナンバーカードと本人確認書類とは異なるとの注意して下さい。
古物商の申請に必要な身分証明書とは以下の3つのことを証明する本籍地のある市区町村で発行される行政証明書のことです。
- 禁治産または準禁治産の宣告の通知を受けていない
- 後見の登記の通知を受けていない
- 破産宣告または破産手続開始決定の通知を受けていない
禁治産または準禁治産の宣告の通知を受けていない
禁治産とは自分の財産を管理する能力がないと裁判所が判断した場合のことをいいます。
具体的には認知症で判断力が大きく低下した場合などに宣告されることがあります。
そして、その宣告を受けると、その人は財産の管理が出来なくなってしまいます。
一方、準禁治産は禁治産ほどではないけど、財産の管理が難しくなって裁判所から特別に制限を受ける場合のことです。
つまり、「禁治産または準禁治産の宣告の通知を受けていない」とは、裁判所から財産の管理について制限を受ける宣告をされていないということを意味します。
後見の登記の通知を受けていない
後見とは認知症や障害によって判断力が不十分な人に対して、裁判所が財産や生活の管理を助ける「後見人」を選ぶ制度の事です。
そして、登記というのは法務局などの行政機関に公的な記録登録する手続きのことを言います。
つまり、「後見の登記の通知を受けていない」とは、裁判所から財産や生活の管理を助ける後見人に必要な状態だと判断されていなということを意味します。
破産宣告または破産手続開始決定の通知を受けていない
破産宣告とは借金を返せなくなった場合に、裁判所が「この人はもう返済できない」と正式に判断することです。これを「破産宣告」と言います。
一方で、破産手続開始決定とは破産が決まると、財産を整理して借金をできるだけ返済するための手続きが始まります。この手続きが開始されたことを裁判所が決定することを言います。
つまり、「破産宣告または破産手続開始決定の通知を受けていない」とは、まだ破産したことが裁判所から正式に認められていないことを意味します。
なぜ古物商の申請に身分証明書が必要なの?
上記では身分証明書は「禁治産または準禁治産の宣告の通知を受けていない」「後見の登記の通知を受けていない」「破産宣告または破産手続開始決定の通知を受けていない」の3つを証明する書類だと解説しました。
でも、なぜ古物商の申請にこれら3つのことを証明する身分証明書が必要なのでしょうか?
その理由は、古物商の欠格事由に該当するかどうかを判断するためです。
というのも、古物商は欠格事由に該当すると許可が取れないのですが、古物商の欠格事由の中にこれら3つに該当しないことが要件として求められているのです。
つまり、身分証明書を提出することで自分が古物商の欠格事由に該当しないことを証明しているわけです。
古物商の申請に必要な身分証明書の取得場所と有効期間
古物商の申請には身分証明書が必要ですが、これまでに身分証明書を取得したことがある人は少ないと思います。
では、身分証明書はどこで取れるのでしょうか?また、古物商の申請には誰の身分証明書が必要なのでしょうか?
その点について簡単に説明しておきます。
身分証明書はどこで取れる?
身分証明書は本籍地のある市区町村役場でしか取得することができません。
本籍地とは戸籍(家族の基本的な情報が書かれた公的な記録)が置いてある場所のことで、住所とは異なります。
ですので、引っ越しをしたとしても、本籍地を移動しない限りは本籍地の場所は変わらないため、必ずしも実際に住んでいる場所(住所)とは限りません。
そして、身分証明書は本籍地のある市区町村役場でしか取得できないので、本籍地が遠方にある場合には家族に代理で取得してもらうか郵送等で取り寄せる必要があります。
因みに、本籍地がわからない場合には本籍地入りの住民票を取得することで本籍地を確認できます。
身分証明書は誰のが必要?
個人の場合 | 法人の場合 |
|
|
古物商の申請に誰の身分証明書が必要かというと上記の通りです。
気を付けなければいけないのは、法人の役員については監査役も含め法人登記簿に記載されている全ての役員の身分証明書が必要という点です。
因みに、個人・法人に関わらず申請者や役員が管理者を兼任する場合には、管理者分の身分証明書は省略することができます。
身分証明書の有効期限は3か月
古物商の申請に使用する身分証明書には有効期限はあります。
その有効期限は3ヵ月で、有効期限を過ぎた身分証明書は申請に使用することができません。
ですので、身分証明書を取得してからかなり時間が経過している場合には、身分証明書に記載されている発行日を確認してから使用するようにしましょう。
古物商の申請に必要な身分証明書の取り方は3つ
身分証明書の取り方には以下の3つの方法があります。
- 自分で身分証明書を取得する
- 代理で身分証明書を取得してもらう
- 郵送で身分証明書を取得する
自分で身分証明書を取得する
身分証明書は本籍地のある市区町村役場や出張所の窓口で取得が可能です。
ですので、住所と本籍地が同じ場合や本籍地が近い場合には自分で身分証明書を取りにいくことができます。
ただし、窓口は平日しかやっていなかったり9~17時までと時間に制約があることがほとんどなので注意してください。
詳しくは本籍地の市区町村役場のHPを確認してみてください。
代理で身分証明書を取得してもらう
本籍地が遠く離れた実家にあったり、引っ越し前の住所から本籍地を変更していないという方も多いです。
そのような場合には、家族や知人などに代理で身分証明書を取ってもらう事も可能です。
ただし、代理で身分証明書を取ってもらう場合には「委任状」が必要となるので注意して下さい。
因みに、委任状は市役所や区役所のHPにひな型が用意されているケースが多いので、そのひな型を使って委任状を作成するといいです。
郵送で身分証明書を取得する
代理で身分証明書の取得を頼める人がいない場合には郵送で身分証明書を取得することも出来ます。
郵送で身分証明書を取得するには以下の書類を封筒に入れて、本籍地のある市区町村役場に送れば取得できます。
郵送請求の書類
- 郵送用の身分証明書請求書
- 本人確認書類のコピー(免許証等)
- 定額小為替
- 切手を貼った返信用封筒
因みに、身分証明書の取得には数百円の手数料が掛かるのですが、封筒にお金を入れて送ることはできません。
ですので、手数料の代わりとなる定額小為替という物を郵便局で購入していれる必要があります。
また、郵送で身分証明書を取得する場合には、返信用の封筒に切手を貼った物を同封する必要があるので忘れないようにしてください。
身分証明書を郵送で取得する場合は「〇〇市 身分証明書 郵送」とネットで検索すると、もっと詳しい説明がでてきます。
本籍地が日本にない外国人は身分証明書をとれない
古物商の申請には必ず身分証明書が必要となっています。
でも、外国籍の方については日本に本籍地がないので身分証明書を取得することはできません。
となると、外国籍の方は古物商の許可を申請できないのでしょうか?
結論としては、身分証明書がとれない外国籍の方でも古物商許可の申請は可能です。
外国籍の方の場合、身分証明書の代わりに在留カードやパスポートのコピーを提出することで申請が可能となります。
また、警察署によってはそもそも在留カードやパスポートのコピーを求めない警察署もあるので、まずは古物商の申請先となる管轄の警察署に確認してみましょう。
まとめ
この記事のまとめ
- 身分証明書は運転免許証等は異なる
- 身分証明書は欠格事由に該当しないことを証明する書類
- 身分証明書は本籍地でしかとれない
- 外国籍の方は身分証明書がとれない