メルカリに古物商はなぜいらない？必要なケースは？無許可はバレる？

日本で最も使われているフリマアプリの「メルカリ」。

メルカリを使っている人の中には「中古品を売買する場合には古物商が必要なのに、なぜメルカリだといらないの？」と疑問に思っている人も多いです。

そこで、この記事ではなぜメルカリに古物商はいらないのかや、メルカリでも古物商が必要な場合などについて解説します。

 

メルカリで古物商はなぜいらないの？

よく、ネットで情報などを調べていると「ネットで中古品を売る場合には古物商の許可が必要」と言われていたりしますよね。

だから、メルカリで中古品を売る場合にも古物商の許可が必要と思っている方も多いです。

しかし、基本的にはメルカリでは古物商の許可はいらないです。

なぜ、メルカリで古物商がいらないかというと、メルカリで中古品を販売するほとんどの人は「いらなくなった私物(不用品)」を販売しており、不要品を販売する場合には古物商の許可が不要だからです。

一方で、メルカリで中古品を売買する場合でも古物商の許可が必要な場合もあります。

そこで、以下ではメルカリで古物商の許可が不要な場合と古物商の許可が必要な場合について詳しく解説します。

メルカリで古物商が不要な場合

以下の物をメルカリで販売する場合には古物商の許可は不要です。

メルカリで売る商品	説明
私物	自分が使用する目的で購入した物を売る場合には古物商は不要
新品の物	お店から購入した新品を売る場合には古物商は不要
無料でもらった物	無料でもらったものは私物扱いとなるので古物商は不要
輸入したもの	自分が輸入した物を販売する場合には古物商は不要
資産・投資目的の貴金属	インゴット、金貨、金塊、古銭、古札、プラチナなどを売る場合には古物商は不要
消費する物	食品、お酒、医薬品、香水、化粧品などの消費してなくなるものなどを売る場合には古物商は不要
原材料となる物	金属くず、鉄くず、銅線、空き缶など原材料として取引されるものを売る場合には古物商は不要

そしてメルカリを利用する多くの方が「私物」を販売している為、古物商の許可が不要というわけです。

因みに、仮に中古品を購入したとしても、それが自分が使用する目的で購入した物であれば、それは私物に該当します。

また、お酒や医薬品などについては古物商は不要ですが、酒類販売業許可や医薬品販売業許可が必要となるのでご注意下さい。

メルカリで古物商が必要な場合

一方で、私物ではなく、お金を稼ぐ目的で以下に該当する中古品を仕入れてメルカリで販売する場合には古物商の許可が必要です。

取引する商品	具体例
美術品類	絵画、油彩、水彩、版画、彫刻、書画、骨とう品、工芸品、アンティークなど
衣類	婦人服、紳士服、子供服、ベビー服、和服、和服小物、ジーンズなど
時計・宝装飾品類	腕時計、置時計、眼鏡、宝石・指輪・ネックレス、アクセサリー、貴金属類など
自動車	自動車、タイヤ、バンパー、カーナビ、サイドミラー、部品類など
自動二輪車及び原付自動車	オートバイ、原付自転車、マフラー、エンジン、部品類など
自転車	自転車、電動アシスト自転車、一輪車、三輪車、かご、タイヤ、サドル、部品など
写真機類	カメラ、アンティークカメラ、写真機、レンズ、ビデオカメラ、顕微鏡、双眼鏡、天体望遠鏡、光学機器など
事務機器類	パソコン、パソコン周辺機器、コピー機、FAX、電話機、レジスター、タイムレコーダー、シュレッダー、各種測定機器など
機械工具類	家庭用ゲーム機、家電製品、家庭用電話機、土木機械、工作機械、化学機械
道具類	家具、楽器、スポーツ用品、日用品、パソコンソフト、ゲームソフト、CD、DVD
皮革・ゴム製品類	バッグ、かばん、靴、財布など
書籍	単行本・文庫本・雑誌・漫画・写真集・児童書・辞書・古書・地図など
金券類	商品券、航空券、乗車券、各種入場チケット、郵便切手、テレホンカードなど

これらの中古品を購入し、メルカリで販売する場合には古物商の許可が必要です。

一方、上記の新品商品をお店から仕入れてメルカリで販売する場合には、古物商が不要なケースの「新品」に該当する為、古物商の許可は不要というわです。

私物かどうかは客観的に判断される

上記では「私物」をメルカリで売る場合には古物商の許可は不要だと解説しました。

そうすると中には、「それなら全部私物を売っていることにすればいいのでは？」を思った方もおられるかもしれません。

実際に、無許可で営業している人の言い訳として多いのがこのパターンで、警察もそのことをしっかりと把握していて、私物かどうかは客観的に判断されます。

具体的に、以下のような場合には私物ではなく、古物商が必要な売買と判断される可能性が高いです。

要するに、同じような商品の売買をたくさん繰り返している場合に、私物を売っているのでは、営利目的で中古品の売買をしていると判断されてしまうわけです。

しかも、上記はあくまでも一例なので、記載のある商品を扱っていない場合や出品数が少ない場合においても、個別案件ごとに判断されるという点に注意しなければなりません。

メルカリShopだけ「古物商が必要」は間違い

ここまででメルカリで古物商が不要な場合と必要な場合について解説しましたが、中にはメルカリShopだけ「古物商が必要」と誤解してしまっている人も多いです。

恐らく、多くの人がこのように誤解する理由はメルカリの公式サイトが以下のように説明しているからです。

では、メルカリが嘘をついているのかというと、そういうわけではありません。

そもそも、メルカリはフリーマーケット(私物の不用品を販売する目的)を前提としたアプリなので、中古品の仕入れて販売する業者を対象としていないのです。

実際にメルカリの利用規約にも以下のように記載があります。

つまり、メルカリのスタンスとしては自分の私物を売る場合にはメルカリを利用して、私物以外の中古品販売業をするならメルカリShopを使って下さいというわけなのです。

だから、『メルカリの場合は、誰でも自由に中古品を販売できる』と紹介しているわけで、その結果、メルカリShopを使わなければ古物商は必要ないという誤解が広まってしまっているのです。

ですので、メルカリShopsだけ古物商が必要と決めつけるのではなく、自分には古物商が必要かどうかをしっかりと確認するようにしてください！

無許可のメルカリ転売は普通にバレる！

この記事を読んでいる方の中には「古物商の許可が必要だけど、メルカリで売買するだけだったらバレないから大丈夫」と思っている方もいるかもしれません。

メルカリで中古品の売買をしている人の中には無許可で転売してる方もいますが、絶対に辞めた方がいいです。

なぜかというと、無許可のメルカリ転売は普通にバレるからです。

では、具体的にどのようにして無許可のメルカリ転売がバレるかというと以下のような形でバレます。

取引き相手の通報でバレる

無許可のメルカリ転売が一番バレるパターンとして多いのが取引相手からの通報でバレるパターンです。

例えば、取引相手からのクレームや返品対応でトラブルが発生し、取引相手と揉めてしまった場合、相手は無許可で中古品の売買をしていることを警察に通報したりします。

しかも、こちらに落ち度があってのクレームや返品対応であればまだしも、最近では一切出品者に落ち度がなくても通報される可能性も十分にあります。

同業社からの通報でバレる

取引き相手からの通報と同じく多いのが、同業社からの警察への通報でバレるケースです。

本来、メルカリで取引する場合でも不用品ではなく中古品を売買するのであれば古物商の許可が必要です。

そして、同業者は法律に則って古物商の許可を取得して商売しているのに、無許可のライバル業者がいる営業で売上が落ちてしまったらどうでしょうか？

ライバル業者としては無許可の業者に商売を邪魔されたくないので警察署に通報するというわけですね。

盗品の買取でバレる

最後に、あまり多くはありませんがと盗品を買い取ってしまった場合でもメルカリの無許可転売がバレます。

例えば、あなたがメルカリやヤフオクなどで高級腕時計を仕入れたとします。

しかし、その高級腕時計は盗まれたものであった場合、警察はあなたにどのような経緯でその腕時計を入手したかの確認を行います。

その際に、恐らく過去のメルカリの取引き履歴なども確認されることになり、結果的に無許可でメルカリ転売をやっていたことがバレてしまうわけです。

メルカリ転売の無許可営業は3年以下の懲役又は100万円以下の罰金

古物商の許可が必要なのにも関わらず、無許可でメルカリ転売をやっていた場合、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金もしくはその両方が科される可能性があります。

中古品を売買しただけで罪に問われるというと、あんまりイメージできないですよね？

ですが、例えば、免許がないのに車を運転していたり、お医者さんの仕事をしていたらどうでしょうか？

これだと、無免許で仕事をすることの罪の重さが少しはイメージがわくのではないでそうか？

無許可営業後に古物商を申請しても罰を受けない可能性が高い

ただし、中にはメルカリ転売に古物商の許可が必要だと知らなかったという人もいるかもしれません。

そのような場合はどうすればいいのでしょうか？

そんな時は、違法状態の無許可営業を辞めて、直ぐに古物商の許可を取得するようにしてください。

というのも、人それぞれ状況はことなるので一概には言えませんが、基本的には無許可営業後に後から古物商の許可申請をしても、罰則を科されたり罪に問われたりする可能性はほとんどありません。

ですので、出来るだけ早く違法な営業状態を解消するようにしましょう。

心配は時は行政書士に相談

古物商許可の申請書を警察に提出する際、警察から色々なことを質問されるケースもあります。

その際に余計なことを話してしまって、話がややこしくなってしまうなんてこともあり得ます。

実際に無許可営業が発覚し、警察署で厳しく注意されたという事も珍しくない話です、

ですので、もし、無許可でメルカリ転売をしてしまっていて、これから古物商の許可を取得するのが心配だという方は古物商の専門家である行政書士に相談するも選択肢の１つだと思います。

弊所でもこれまでにたくさんの無許可で営業してしまっていたからご依頼を受け、何の問題もなく古物商の許可を取得できていますので、安心してご依頼ください。

まとめ