古物商の取り方

古物商の営業所とは|営業所なしでもいい?実家や自宅は?賃貸は?

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古物商の営業所って何?
営業所はなしでもいい?
古物商の初心者
古物商の初心者

古物商を申請する際には営業所を登録する必要があります。

ただ、そもそも営業所とは何なのかわからないですよね?営業所がなくても古物商は取れるのでしょうか?

そこで、この記事では「そもそも古物商とは?」や「営業所なしで古物商はとれるのか?」「実家や自宅、賃貸を営業所とできるのか?」について詳しく解説します。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。古物商専門の行政書士。古物商の許可に関するメディアサイト「古物商の学校」を運営しており、古物商の許可取得実績500件以上。古物商許可の取得率100%
 

古物商の営業所とは?

古物商の営業所とは中古品の売買を行ったり、中古品売買の取引記録を記載した古物台帳を保管したりする営業拠点のことです。

例えば、店舗で中古品の売買を行う場合には店舗が営業所となりますし、ネットで売買を行う場合には事務所が営業所となります。

また、古物商は基本的には古物商の営業所以外の場所で古物の売買や交換などの営業を行う事ができません。

ただし、例外として「行商する」を選択して申請している場合には、取引相手の住所や警察署に事前に届出た場合には仮設店舗や露店で取引を行う事ができます。

因みに、「行商」とは営業所を離れて取引を行う営業形態のことで、出張買取などが当てはまります。

古物商は営業所なしで取れる?

古物商の申請をする際に、営業形態を「営業所あり」「営業所なし」「古物市場」から選択します。

となると、「営業所なし」でも古物商が取れるんだと思ってしまいますよね。

でも、先に結論から言うと、古物商は営業所なしでは取れません。

じゃあ、なぜ「営業所なし」を選択する項目があるのかというと、昔は営業所なしでも取得できたけど法律改正によってできなくなったからです。

ですので、例えばスマホを使ってネットで売買するから営業所が必要ないという場合でも、営業所の場所を決めて必ず住所を登録しなければなりません。

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古物商の営業所の要件は2つ

古物商を取るには営業所が必要だと解説しましたが、どんな場所でもいいわではありません。

具体的には以下の2つの要件を満たしている必要があります。

  • 営業所が実在していること
  • 営業所が独立していること

営業所が実在していること

古物商の営業所は必ず実在している必要があります。

ですので、バーチャルオフィスのような実際に存在しない事務所は登録することはできません。

その他にも、第三者に住所だけを借りて、実際にはそこで営業していないような実体を伴わない場所も古物商の営業所としての要件を満たしません。

営業所が独立していること

古物商の営業所は必ず独立している必要があります。

独立とは営業所の構造が他の事業者と独立しているかどうかです。

わかりやすくいうと、その営業所は古物商の申請者だけが使用する個室かどうかです。

ですので、例えば借りている場所が個室ではない、他の事業者と利用する共同スペースの場合には独立性がないと判断されます。

古物商の営業所に使用できる場所(実家・自宅・賃貸マンション)

上記では古物商の営業所の要件について説明しましたが、ここからはそれぞれの事例別に営業所としての要件を満たすかどうかについて解説します。

 

自己所有事務所・賃貸事務所は古物商の営業所にできる

持ちビルの事務所や賃貸事務所は古物商の営業所にすることは全く問題ありません。

唯一、注意しなければならない点は、事務所の一室を他の法人と共有している場合です。

この場合には、営業所の要件で解説した独立性がないと見なされる可能性があるので気をつけて下さい。

自宅は古物商の営業所にできる

個人で古物商を取得する際に事務所を借りるのはハードルが高いです。

だから、個人で申請する多くの人は自宅を営業所として申請できないか検討するわけですが、基本的には自宅で古物商の許可を取得することは可能です。

ただし、その自宅が一軒家なのかマンションなのか、自己所有なのか、賃貸なのかによって少し対応がことなります。

まず、自己所有の一軒家であれば何の問題もなく営業所として認められます。

一方で、賃貸の一軒家やマンション、分譲マンションの場合には営業所として認められないわけではないのですが注意が必要です。

詳しくはそれぞれの項目で解説します。

賃貸マンションは古物商の営業所にできるけど注意

賃貸マンションでも古物商の営業所に利用することができるのですが注意が必要です。

というのも、賃貸マンションの契約書の目的の項目には「住居用」として記載されているケースがほとんどだからです。

その点、古物商は「事業」に該当するので、賃貸マンションで古物商を取得した場合には契約違反となり、貸主と揉めてしまう可能性があります。

ですので、賃貸マンションを古物商の営業所とする場合には、管理会社や貸主にその場所で古物商を取得しても良いか事前に承諾を取っておくことをおすすめします。

因みに、これは賃貸マンションだけに限らず、賃貸の一軒家や賃貸アパートも同様です。

分譲マンションは古物商の営業所にできるけど注意

分譲マンションでも古物商の営業所に利用することができるのですが注意が必要です。

分譲マンションは自分の所有物件ではありますが、マンションの管理規約で住居用としての使用以外が禁止されているケースが多いからです。

そして、古物商は事業に該当するので、マンションの管理規約違反となってしまう可能性があり、周辺住民と揉めてしまう可能性があります。

ですので、分譲マンションを古物商の営業所とする場合にはマンションの管理組合に事前に承諾を取っておくことおすすめします。

実家は古物商の営業所にできる

自分が住んでいる場所が賃貸マンションや分譲マンションで、古物商の営業所とすることが難しいので実家を営業所とすることはできないか検討する方も多いです。

先に結論をいうと、実家が持ち家の一軒家であれば何の問題のなく、自分の自宅とは別の場所である実家を営業所として登録することは可能です。

但し、実家を営業所にする場合には「実態があるか」に注意する必要があります。

どういうことかというと、自宅を営業所にできないから古物商の許可を取るために実家の住所だけを借りるという事はできず、実家で古物商の売買をおこなったり、古物台帳を保管するなどの営業実態が伴わなければなりません。

ですので、自宅からかなり距離が離れているような実家の場合には、営業実態が伴わないと判断されて認められない可能性があります。

レンタルオフィスは古物商の営業所にできる

レンタルオフィスを古物商の営業所として使用することは可能です。

ただし、古物商の営業所として登録できるのは個室タイプのレンタルオフィスだけです。

ですので、どの席に座ってもいいようなフリーアドレスタイプのレンタルオフィスを古物商の営業所とすることはできません。

これは営業所の要件の部分でも説明した独立性の要件を満たさないからです。

倉庫は古物商の営業所にできる場合もある

倉庫については古物商の営業所として認められる場合と認められない場合があります。

理由としては、一言で倉庫と言っても頑丈な大きな建物の倉庫もあれば、簡易的な造りの倉庫もあり、どのような場所に倉庫があるかによっても判断が異なる為、一概には言い切れないからです。

ですので、倉庫を古物商の営業所としたい場合には警察署に事前に相談した方が良いです。

また、その際には倉庫の外観と内観を撮影した画像を警察に実際に見てもらって判断してもらうことをおすすめします。

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古物商の営業所に使用できない場所

上記では古物商の営業所として使用できる場所を紹介しましたが、以下では古物商の営業所として使用できない場所を紹介します。

コワーキングスペースは古物商の営業所にできない

コワーキングスペースを古物商の営業所とすることはできません。

なぜなら、コワーキングスペースは他の人との共有スペースを利用できるに過ぎず、事務所としての独立性がないからです。

ただ、コワーキングスペースという名前の場所でも、個室を契約できるコワーキングスペースもあるので、個室を借りれる場合には営業所として登録が可能です。

バーチャルオフィスは古物商の営業所にできない

バーチャルオフィスを古物商の営業所とすることはできません。

ならなら、バーチャルオフィスは営業所としての実在しないからです。

ですので、バーチャルオフィスを法人の本店と登録している場合には、代表取締役の自宅などを古物商の営業所として申請するのが良いかと思います。

車両は古物商の営業所にできない

車やトラック、リアカーなどの車両を古物商の営業所として登録することはできません。

なぜなら、古物商はあくまで固定の住所でなければならないからです。

また、古物商の許可を取得した場合、中古品の売買が可能なのは「営業所」「取引相手の住所」「事前に警察に届出した場所」だけですので、車両で移動しながら中古品の売買をすることはできません。

公営住宅は古物商の営業所にしない方がいい

公営住宅で古物商の許可を取得をすることは不可能ではありませんが営業所としない方が良いです。

なぜなら、公営住宅に住めなくなってしまう可能性があるからです

一般的な賃貸マンションとは異なり、公営住宅の使用目的は間違いなく「住居用」「住居専用」などとなっており、事業としての使用を禁止されています。

そして、これは警察も認識しているので公営住宅で申請する場合には必ず警察から指摘が入ると思っておいた方が良いかと思います。

古物商の営業所に関する注意点

古物商の営業所として登録した場所には以下のような注意点があります。

古物商プレートを掲示しなければならない

古物商の営業所にはその入り口などの公衆の見やすい場所に「古物商プレート」を提示しなけばなりません。

これはネットだけで売買する場合でも、営業所が自宅やマンションの場合でも掲示しなければならないことに変わりはありません。

また、古物商プレートは以下のような様式で決まっています。

古物商プレートの様式

  • プレートの材質・・・金属、プラスチック、又はそれらと同等の強度のある素材
  • プレートの色・・・紺色系の背景に白色の文字
  • プレートのサイズ・・縦8cm×横16cm
  • 許可番号・・・古物商許可証に記載されている番号
  • 品目名・・・取り扱う区分の指定の名称を記載
  • 名称・・・称号や氏名などを記載

管理者を選任しなければならない

古物商の営業所には必ず1人管理者を置かなければなりません。

営業所が一か所しかない場合には、申請者や代表者が管理者になれば大丈夫ですが、営業所が2か所以上ある場合には注意が必要です。

なぜなら、管理者は他の場所の営業所と兼任ができないため、それぞれの営業所に別の管理者を置かなければなりません。

しかも、その管理者というのは常勤である必要があり、実質的に営業所を管理できない人を管理者として選任することはできません。

帳簿の備え付けなければならない

中古品の売買をした場合、「取引年月日」「取引の品目や数量」「取引相手の名前や住所」などを古物台帳に記録しなければなりません。

台帳の種類はノートなどの紙や、エクセルデータなのど、保管方法に制限はないのですが、取引の日から3年間は保管しておかなければなりません。

そして、この古物台帳は営業所に保管する必要があり、警察から古物台帳の提出を求められたら直ちに書面により提出しなければなりません。

ですので、営業所のパソコンに古物台帳を保管しているのであれば、営業所に合わせてプリンターを設置してすぐに書面で台帳を提出できる

警察による立ち入り調査の可能性がある

警察は必要がある場合には営業所に立入調査をすることができます。

これは古物営業の実態を把握したり、取引している商品に盗品が入り込んでいないかなどを確認するために認められています。

ですので、自宅を営業所として登録する場合には、自宅に警察が立ち入り調査に来る可能性がある点は注意が必要です。

因みに、この立入調査を拒否や妨害した場合には10万円以下の罰金に処される可能性があります。

変更事項がでてきた場合には変更が必要

営業所の内容に変更があった場合には、警察署に変更届を提出する必要があります。

具体的には以下の内容に変更があった場合です。

  • 営業所の名前の変更
  • 営業所の住所の変更
  • 営業所の管理者の変更
  • 営業所の管理者の住所の変更
  • 営業所の取り扱い品目の追加・変更

因みに、変更の届出は変更前に提出しなければならないものと、変更後に提出すればいいものなどがあるので、営業所に変更内容が出てきそうな場合には事前に確認しておくようにしましょう。

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まとめ

この記事のまとめ 

  • 古物商の営業所とは営業の拠点
  • 古物商は営業所なしで取れない
  • 自宅・実家・賃貸は営業所にできる
  • 営業所に出来ない場所もある

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古物商の学校では古物商に関する基礎知識から古物商の取り方や、古物商の取得後に必要な手続き、古物商の変更手続きに至るまで専門家が徹底的に解説しています。

 

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