古物商について学ぶ

古物商のメリットとデメリット|無資格のデメリットについても解説!

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古物商のメリットとデメリットを知りたい。
メリットがないなら取りたくないな~。
古物商の初心者
古物商の初心者

古物商の取得を考えた時に気になるのが古物商のメリットとデメリットではないでしょうか?

もちろん、メリットとデメリットを知っておくことは大切なのですが、それと同じく無資格で中古品の販売をすることのデメリットについても知っておいた方がいいです。

なぜなら、無資格の場合には懲役や罰金等の罰則が設けられているからです。

そこで、この記事では古物商の許可を取得するメリット・デメリットと、無資格で古物営業をするデメリットについて解説します。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。古物商専門の行政書士。古物商の許可に関するメディアサイト「古物商の学校」を運営しており、古物商の許可取得実績500件以上。古物商許可の取得率100%
 

古物商には4つのメリットがある

古物商の許可を取得するメリットは主に以下の4つです。

古物商のメリット

  1. 中古品の売買ができる
  2. 古物市場に参加できる
  3. 税金が抑えられる
  4. 信用力を得られる

以下では、それぞれのメリットについて簡単に解説していきます。

①中古品が売買できる

古物商の1つ目のメリットは中古品の売買ができるという点です。

え?メルカリやラクマとかで誰でも売っていいんじゃないの?』と思いませんでしたか?

確かに、自分の不要になった物をフリマアプリやネットで売る場合には古物商の許可は不要です。

しかし、お金を稼ぐ目的で中古品を仕入れて販売する場合には古物商の許可が必要となります。

この点については『古物商はなぜ必要?古物商が必要な場合と古物商ができる仕事例を解説』の記事でもっと詳しく解説しているので、気になる方は是非チェックしてみてください。

ですので、古物商の許可を取得することで中古品を仕入れて自由にネットや店舗で販売することが可能になります。

因みに、古物商の許可を取得すると出張買取や、デパートなどの催事・路面やフリーマーケット会場などでの人が集まる場所で短期間出店もできるようになります。

②古物市場に参加できる

古物商の2つ目のメリットは古物市場に参加できる点です。

古物市場というのは古物商を持っている人だけが参加できる業者専用の仕入店みたいにイメージして頂くとわかりやすいかと思います。

そして、その古物市場のなかでも特に有名なのがオートオークションです。

中古車屋さんは基本的には一般の人から買い取った車を売るだけではなく、中古車屋さんしか参加できないオークションから車を仕入れて販売しています。

そのオークションではかなり低価格でたくさん中古車を仕入れることが可能なので、中古車屋さんの仕入れ先としてはかなり重宝されています。

そして、このオートオークションと同じような仕入店が美術品や宝石・貴金属、ブランド品、家具、家電など様々な商品であり、それらを総称して古物市場と読んでいます。

因みに、古物市場では中古品はもちろん、新品の未使用品に関しても一般市場では手に入らないような低価格で、たくさん商品を仕入れられるため「仕入れの宝庫」と言われていたりもします。

また、古物市場では仕入れるだけではなく売ることもできるので、例えば、売れ残ってしまった在庫を古物市場で大量に出品して、不良在庫をすぐに現金化することも可能です。

③節税のメリットがある

古物商の3つ目のメリットは節税できる点です。

古物商を持っていない場合には、先ほども説明した通り自分の不用品しか売ることができません。

つまり、仕入れという概念が存在しないため、販売した金額全体に対して所得税がかかってしまいます。

例えば、中古品の高級時計を100万円で購入したけど、その後に値上がりして300万円で販売したとします。

古物商を持っていない場合には300万円に対して課税されるのに対し、古物商を持っている場合には200万円(=300万円-100万円)に対して課税されます。

また、古物商の許可を取って中古品を売買する場合には“事業”として扱われるので、例えば、交通費や接待交際費などの経費も認められます。

ただし、注意点としては古物商は警察署の管轄なのに対して、税金は税務署の管轄となる為、警察署で古物商の許可を取得した後に、税務署に開業届を提出しなければなりません。

④信頼度が向上する

古物商の4つ目のメリットは信頼度が向上する点です。

例えば、あなたが中古のブランド品を購入するとして、一般の人が販売している中古品と、古物商の許可を取得している中古品ブランド専門店のどちらで購入したいですか?

恐らく、中古品のブランド専門店だと思います。

というのも、中古品のブランド専門店だと商品が偽物である可能性は極めて低いですが、一般の人から購入する場合には偽物の可能性も十分にあるので購入に至らないケースもかなりあります。

特に、ネットで商品を購入する場合には相手の顔も見えないですし、何なら名前や住所すらもわかりません。

ですので、警察署にちゃんと申請して古物商の許可を取得していることは購入者目線で考えるとかなり安心感があり、ショップの信頼性が向上します。

さらに、古物商の許可を持っていると、事業としての信頼度が上がるので、金融機関などから融資も受けやすくなるというメリットもあります。

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古物商には4つのデメリットがある

古物商の許可を取得するデメリットは以下の4つです。

古物商のデメリット

  1. 取るのに費用が掛かる
  2. 申請の手続きが面倒
  3. 取得後の手続きも面倒
  4. 見回り・立入調査のリスクがある

以下では、それぞれのメリットについて簡単に解説していきます。

①取るのに費用が掛かる

古物商の許可を取得する場合には、最低でも以下のような費用が必要となります。

  • 申請手数料・・・19,000円
  • 住民票・身分証明書交付手数料・・・1,000円前後

つまり、古物商の許可を取得するだけで、最低でも20,000円前後の費用は絶対に必要になります。

また、自分で申請する場合にはそれだけですが、行政書士などの専門家にお願いした場合には更に+50,000円前後の費用が必要となってしまいます。

ただ、確かに新規で古物商の許可を取るのに高いお金が掛かってはしまうのですが、古物商の許可が良心的な所は有効期限や年会費などの更新費用が一切ないな点です。

つまり、古物商は一度取得してしまうと維持費0円で一生使い続けることができるのです。

②申請の手続きが面倒

古物商の許可はネットや警察署に相談しながら自分で申請することもできます。

ただし、申請手続きは初心者が行った場合には、想像以上に時間と労力を要します。

例えば、警察署に何度も事前に相談に行ったり、申請内容に間違いがあり何度も書類を作り直したり、そもそも許可が取得できないなんてことも実際にはあります。

更に、自分で必要書類を揃えて、申請書を作成し、警察署に提出しても、許可が下りるのは40日後ぐらいです。

つまり、申請の準備~許可が取れるまでに1カ月半~2か月程度の時間が掛かるのです。

また、古物商の申請をして、万が一、結果が不許可となってしまった場合には申請手数料の19,000円は返却されません。

このように、時間的・労力的・不許可の金銭的リスクがあるので、少し費用は高くなっても古物商許可を専門に扱っている行政書士に代行を依頼する人も多いというのが実情です。

③取得後の手続きも面倒

古物商の許可を取得すると以下のことをやらなければならないと法律で定められています。

必要な手続き 説明
古物商プレートの掲示 古物商を取得後は公衆の見やすい場所に古物商プレートを掲示しなければなりません。また、ネットを利用する場合には許可を受けた公安委員会の名称と許可証の番号を表示しなければなりません。
取引相手の本人確認 古物を買い受け・交換等を行う際に、取引相手を免許証等の本人確認書類を用いて本人確認を行わなければなりません。
取引の記録 古物の取引を行う場合には、帳簿等に取引記録(取引の年月日・古物の品目と数量・古物の特徴・本人確認の区分など)を記載又は記録しなければなりません。
不正品の申告 買い受けた古物や売却の委託を受けた古物が不正品があると認めた場合には、直ちに警察署にその旨を申告しなければなりません。
変更事項の届出 古物商の許可を取得した申請内容(住所・営業所住所・取り扱う品目)等に変更がある場合には、警察署に変更届を提出しなければなりません。

古物商の許可を取得後に上記の手続きを怠った場合には、6月以下の懲役または30万円以下の罰金の他、営業停止などの行政処分を受ける可能性もあります。

ただし、これは古物商の許可に限った話ではなく、飲食業許可や酒類販売業許可など、許可を取得しないとできない事業に関してはほぼ同じような罰則が設けられています。

④見回り・立入調査のリスクがある

古物商の許可を取得すると警察官が営業所の見回りにくるケースもあります。

例えば、古物商の許可を取得すると上記で紹介したように、古物商プレートをちゃんと掲示しているかや古物台帳で取引記録を付けているかなどの確認のために警察官が見回りをするのです。

もちろん、管轄によっては見回りがない地域もあったり、見回りがある地域でも警察署担当者が忙しくてあまり見回りにこないという事もあり得ます。

その他にも、例えば盗品が売買された可能性がある場合には、営業所に警察官が立ち入り調査を実施し、帳簿や在庫の確認、取引内容に関する質問等が行われることもあります。

そして、古物商を取得すると立入調査に協力しなければならず、協力しなかった場合には10万円以下の罰金が科される可能性もあります。

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無資格での中古品販売のデメリット

古物商はメリットに比べてデメリットの方が大きいから取りたくない!
古物商の初心者
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ここまでは古物商の許可を取得するメリットとデメリットについて解説してきましたが、このようにと思われたかもしれません。

ですが、無資格で中古品の売買をするデメリットを知ることでその気持ちは変わると思います。

というのも、中古品を無許可で販売した場合には『3年以下の懲役又は100万円以下の罰金』もしくはその両方を科される可能性があるからです。

メリットの部分でも少し触れましたが、自分の不要になったもをネットで売る場合には古物商は不要ですが、お金を稼ぐ目的で中古品を仕入れて販売する場合には古物商の許可が必要です。

つまり、必ず古物商を取らないといけないのです。

しかも、『古物商の無許可は通報でバレる!後から申請で逮捕や罰則はある!?』の記事でも解説していますが、無許可で中古品の売買をしていることは普通にバレます。

また、過去には古物商の無許可営業で以下のように書類送検を受けているケースもあります。

警視庁は5月、ファッションブランド「コム・デ・ギャルソン」の古着3点を仕入れてネットオークションなどで転売したとして、20代の男を古物営業法違反(無許可営業)容疑で書類送検した。
引用:その出品、違法かも フリマアプリで摘発相次ぐ|日本経済新聞

ですので、確かに古物商の許可を取得するメリットはそこまで大きくありませんが、無許可で中古品の売買をするデメリットを考えると取っておく以外の選択肢はないと言えます。

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まとめ

この記事のまとめ 

  • 古物商取得のメリットは中古品売買・古物市場参加・節税・信頼度向上の4つ
  • 古物商のデメリットは取得費用・申請手続き・取得後手続き・立入調査の4つ
  • 古物商が必要なのに取らないことが最大のデメリット

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古物商の学校では古物商に関する基礎知識から古物商の取り方や、古物商の取得後に必要な手続き、古物商の変更手続きに至るまで専門家が徹底的に解説しています。

 

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