簡単に取れるなら資格を取りたい!
これから中古品の売買をしようと考えた時に必要となるのが古物商の営業資格です。
今まで中古品の売買経験はないけど、誰でも簡単に取れるものか気になりますよね?
また、もし取れるなら自分で申請して簡単に取れるものなのかも知りたいところだと思います。
この記事では古物商の資格の難易度と自分で申請した場合の手続きの難易度や、古物商を取るのが難しいパターンについて解説します。
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古物商の資格取得の難易度は2/5点
何か事業を行うための営業資格には、建設業許可や飲食業許可、酒類販売業許可など、さまざまな営業資格がありますが、その中でも古物商は他の資格に比べて取得難易度がかなり低いです。
というのも、いろいろな営業資格を取得する際に、基本的には以下のの3つの点をクリアしないといけないのですが、古物商についてはそのハードルがかなり低く設けられているからです。
その為、古物商の許可は誰でも比較的簡単に取得できる営業資格といえます。
点数 | |
要件の難易度 | |
費用の難易度 | |
営業所の難易度 | |
総合難易度 |
古物商の資格要件の難易度は低い
営業資格を取得する為には、申請者がその資格で必要となる知識や経験に関する要件を満たしていなければなりません。
例えば、酒類販売業許可であれば3年以上の経営経験や酒類販売経験が求められたりします。
しかし、古物商については基本的にはそのような知識や経験は不要で、あくまでも以下の欠格事由に該当しなければ資格取得要件をクリアできます。
古物商の欠格事由
- 破産手続き中の人
- 5年以内に禁固刑や罰金刑を受けた人
- 反社会勢力と関りがある人
- 住民票の住所と現住所が異なる人
- 古物商許可の取消から5年が経過していない人
- 知的障害・精神障害・認知症などにより成年後見人をつけている人
- 未成年者
- 不適任な管理者を選任した人
- 法人の役員が①~⑧に該当する場合
古物商の取得コストの難易度は低い
個人 | 法人 | |
申請手数料 | 19,000円 | 19,000円 |
公的書類の取得費用 | 1,000円前後 | 1,600円前後 |
古物商プレート作成費用 | 1,500円前後 | 1,500円前後 |
合計 | 約21,500円 | 約22,100円 |
一般的に営業資格を取得する場合には申請手数料が必要となります。
例えば、建設業許可や産業廃棄物許可などでは10万円前後の申請手数料を支払わなければなりません。
しかし、古物商の資格を取得するのにかかる申請手数料は2万円前後と他の資格と比べてもかなり安いです。
また、古物商の申請にかかる費用についてもっと詳しく知りたい方は「古物商の申請費用は?|個人・法人別や代行料金の平均相場まで解説!」の記事も合わせて読んでみてください。
営業所の要件は少しだけ難易度が高い
事務所要件 | |
店舗・事業用事務所 | 〇 |
バーチャルオフィス | ✕ |
フリーアドレスのレンタルオフィス | ✕ |
個室のレンタルオフィス | 〇 |
自己所有の一軒家 | 〇 |
賃貸の一軒家 | △ |
自己所有のマンション | △ |
賃貸のマンションアパート | △ |
古物商の資格を取得するには営業所を登録する必要があります。
これは店舗などで中古品を売買する場合にはもちろん、ネットだけで中古品を売買する場合でも営業所の登録が必要となります。
そして、営業所の要件としては実在する自分が使用権原を有する固定の場所でなければなりません。
ですので、例えばバーチャルオフィスのような実在しない場所や、フリーアドレスタイプのレンタルオフィスのように自分のスペースが固定できまっていないような場所は営業所として登録することができないのです。
因みに、自宅の一室を古物商の営業所とすることはできますが、賃貸の一軒家や分譲マンション、賃貸マンション、アパートなどで申請する場合には申請が難しい場合もあります。
この点については後で詳しく解説します。
古物商の資格を自分で取得する難易度は3.5/5点
点数 | |
手続の難易度 | |
ローカル・ルールの難易度 | |
総合難易度 |
古物商の資格取得の難易度は比較的に低いので、誰でもとることが可能です
ただし、自分で申請して資格を取るとなると少しハードルが高くなります。
というのも、手続きが少し複雑だったり、地域ごとによって必要書類などのルールが異なってしまうからです。
自分で申請書を作成する難易度は若干高い
今までに、何らかの申請書を作成したことがない方にとっては、申請書の作成は少し難しいと感じるかもしれません。
例えば、どんな人でも書く内容が同じ書類であれば、見本を見ながら簡単に作成できますよね?
でも、古物商は申請内容によって書かないといけない箇所や、書いてはいけない箇所などが異なるからです。
とはいえ、最近ではネットにも申請書の作成方法等をかなり詳しく記載されているケースもあるので、ネットを色々しらべたり、警察署に相談すれば時間はかかりますが、自分で申請するのも不可能ではないです。
ローカル・ルールの把握難易度は高い
古物商の申請書を提出するのは、営業所を管轄する警察署に提出します。
そして、その申請先となる警察署によって申請書に添付する書類が異なるケースが良くあります。
例えば、A警察署の管轄では事務所の賃貸契約書のコピーが不要なのに、B警察署管轄では事務所の賃貸契約書のコピーに加えて、事務所オーナーの使用承諾書も添付しなければならないということがあります。
その他にも、ネットを使って売買する場合に必要となる「URLの使用する権限を疎明する書類」についても、警察署によってかなり対応が異なります。
このように、警察署によって必要となる書類や作成する書類が異なる為、申請前には事前に管轄の警察署に作成書類や必要書類をしっかりと確認しておく必要があります。
因みに、古物商の専門家である行政書士でも、申請書を作成する際には、必ず事前に警察署に必要書類の確認を行います。
古物商の資格を取るのが難しい7つのパターン
自分で古物商の申請をするのは若干難しいですが、頑張れば時間はかかるものの不可能ではありません。
ただし、それは申請内容が最もシンプルな場合であって、以下に該当するような場合には更に申請手続きの難易度が上がります。
ですので、以下に該当する場合には専門家などに依頼することも検討してみてもいいかと思います。
古物商の資格を法人で取る場合
個人も法人も古物商の資格が取れる難易度に変わりはないのですが、法人の申請手続きの方が難易度が高いです。
なぜなら、法人で申請する場合には個人で申請する場合よりも、作成する書類や収集する書類の量が増えるからです。
例えば、法人役員に関連する書類であったり、法人の履歴事項証明書や定款なども必要となります。
また、法人の事業目的に古物営業に関連する項目が入っていない場合には、法人の登記簿と定款の変更も必要となります。
このように、法人で申請する場合には収集書類や確認事項が増えるので、法人で古物商の資格を取得する場合には個人で取得するよりも手続きが難しいといえます。
ネットで売買する場合
これから古物商の資格を取ろうと思う人の多くはインターネットで売買することがほとんどだと思います。
しかし、インターネットを利用する取引を行う場合にも手続きが少し難しくなります。
なぜなら、ネットを使って中古品を売買する場合の申請書の添付書類が複雑だからです。
ネットで中古品を売買する場合に「URLの使用権限を疎明する書類」というものを添付しなければなりません。
「URLの使用権限を疎明する書類」とはわかりやすく言うと、「私はこのサイトを適正に使う権限がありますよということを証明する書類」のことです。
この書類は利用するサイトによっては運営者に申請することで発行してもらえることもありますが、よく利用されているアマゾンやメルカリ、ヤフオクなどでは発行されません。
ですので、この場合には警察署にどのような書類でURLの使用権限を疎明すればいいのか確認しなければなりません。
そして、多くの場合では警察署から結構複雑な内容を説明されるため、なかなか自身で作成するのが難しいです。
自動車・バイクを売買する場合
他の商品を取り扱うのに比べて自動車やバイクを売買する場合、古物商の難易度は少し高いです。
なぜなら、自動車やバイクに関しては専門知識がないと取り扱いが難しく、また、在庫スペースなどの確保も必要となるからです。
特に近年は車やバイクの盗難が増えている為、中古車を買い取る場合には盗難車なのかどうかを見極める経験が求められます。
ですので、これまでに中古車やバイクの取り扱い経験がない人が、古物商の自動車屋バイクを取り扱おうと思うと警察から色々と確認されるケースも多いです。
又、他の商品とは違い、自動車やバイクを取り扱う場合には広い保管スペースも必要となる為、保管場所を確保できているかの確認もあります。
ですので、自動車やバイクをメインで取り扱う場合には通常よりも少しチェックが厳しくなるため取得が難しくなります。
マンション・アパートを営業所とする場合
自己所有・賃貸に関わらずマンションやアパートで古物商を取得する場合には資格取得の難易度が高くなります。
なぜなら、マンションやアパートは「住居用」としてしか使ってはいけないと、管理規約や契約書に記載されているケースがほとんどで、古物商のような「事業」としての利用が認められていないからです。
この場合、マンションの管理会社や所有者、管理組合から使用承諾書を貰う必要があるのですが、ほとんどのケースではもらえません。
そして、警察署によっては使用承諾書の添付を求められるケースもあるので、古物商の資格取得を断念する方も多いです。
また、一軒家についても賃貸の場合には同じように利用目的に「住居用」と記載されていることが多く、その場合には所有者から使用承諾書を貰わなければいけないケースもあります。
ただ、このような場合でもいくつか古物商の資格を取る方法もあるので、どうしても取りたいという場合には弊所にご相談下さい。
無資格で古物商をしていた場合
無許可で営業していた場合には通常に比べて古物商の資格取得が難しいか、もしくは取得できない可能性があります。
というのも、古物商に関する法律で無許可営業は3年以下の懲役又は100万円以下の罰金という厳しい罰則が設けられて禁止されているからです。
因みに、もし5年以内に無許可営業で3年以下の懲役・100万円以下の罰金を科されていた場合には、間違いなく古物商の許可を取得することはできません。
一方で、無許可で古物営業をやってしまっていたものの、現状は法律により罰せられているわけではない場合には古物商の資格を取得することは可能です。
むしろ、無許可で中古品を売買している場合には早急に古物商の資格を取るようにしてください。
くれぐれも無許可の状態で中古品の売買をするのはやめましょう!
なぜなら、「古物商の無許可は通報でバレる!後から申請で逮捕や罰則はある!?」の記事でも解説していますが無許可営業は普通にバレるからです。
因みに、無許可営業をしていた状態で古物商を申請すると、警察から注意を受けたり、過去の取引についていろいろ確認されたりするケースも多いです。
ですので、通常の申請するパターンよりも難易度が少し高いと言えます。
古物商の資格を外国人が申請する場合
外国人でも古物商の資格をとることができますが、日本人が取得するよりも少し難しいです。
なぜなら、外国人の場合には言葉の壁や在留資格の特性があるからです。
例えば、日本語を全く話せない場合には古物商の管理者として日本語を話せる人を雇用しないといけなかったり、在留資格の種類によってはそもそも古物商の許可を取得できないからです。
また、外国人の場合には古物商の申請に必要となる身分証明書という書類が発行できない為、その代わりとなる書類を警察署に確認する必要があるからです。
その他にも、法人の役員の中に海外在住の外国人などがいる場合には、通常で必要となる書類が異なるので申請手続きの難易度は上がってしまします。
古物商の資格を未成年者が申請する場合
未成年者が古物商の資格を取得する場合も、取れなくはないですがかなり難しいです。
理由は未成年者は古物商の管理者になれないからです。
古物商の許可を取得した場合に、1つの営業所に対して1人の管理者をおかなければなりません。
本来であれば、申請者が管理者になれるのですが、申請者が未成年の場合には管理者になれません。
ですので、申請者とは別で、管理者になれる人を見つけなければならないからです。
行政書士に依頼すると古物商の資格が簡単に取れる
ここまで解説したように、古物商の資格を取ることはそこまで難易度は高くないですが、自分で申請手続きをする場合には少し難易度が高くなります。
もちろん、ネットや警察署のHPなどで必要書類や申請書の書き方などが説明されているので、頑張ってやれば自分でもできなくはないと思います。
ただし、ネットや警察署で解説されている内容というのは、一般的な状況での申請内容について記載れているのがほどんどで、先ほど紹介した取るのが難しいパターンや、イレギュラーなパターンには対応していないケースが多いです。
ですので、資格を取るのが難しいパターンに該当する場合や、それ以外のイレギュラーなパターンについては古物商の専門家である行政書士に相談や依頼することも一つの選択肢だと思います。
というのも、行政書士に依頼した場合にはほぼ丸投げで古物商の資格が簡単に取れるからます。
実際に、弊所でもこれまで色々な相談・ご依頼を受けましたが、かなり難易度が高いケースでもほぼ丸投げで古物商の許可を取得できています。
例えば、自分で申請しようと警察署に行ったら取得は難しいと言われて諦めかけていたけど、弊所に依頼して取得できたケースや、他の行政書士事務所では厳しいといわれたけど弊所で問題なく取得できたケースがたくさんあります。
ですので、もし古物商を簡単に取りたいのであれば是非弊所にご依頼ください。
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まとめ
この記事のまとめ
- 古物商の資格取得難易度は低い
- 自分で古物商を取得するのは手続きが少し難しい
- 申請状況によっては古物商の取得が難しいこともある
- 行政書士に依頼すると資格が簡単に取れる
長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所