古物商の疑問

ヤフオクに古物商は必要?仕入れ時の本人確認方法とURL届出に注意

ヤフオクに古物商は必要?
ヤフオクのURL届出や本人確認方について知りたい。
古物商の初心者
古物商の初心者

ヤフオクでは古物商が必要な場合と不要な場合があります。

また、ヤフオクで古物商が必要な場合には、URL届出は取引相手の本人確認方法も理解しておかなければなりません。

この記事では、古物商の専門家が「どんな場合にヤフオクで古物商が必要になるのか?」「URL届出の記載方法」「ヤフオクの取引き相手の本人確認方法」について解説します。

ヤフオクには古物商が必要な場合と不要な場合がある

結論から先に言うと、ヤフオクで中古品を販売する場合には、古物商の許可が必要な場合と不要な場合があります。

具体的には、一般の人や中古品販売店から購入した中古品や新品を売買する場合には古物商の許可が必要となり、新品商品だけを扱うお店から購入した新品をヤフオクで販売する場合には不要となります。

ヤフオクで古物商が必要な場合

ヤフオクで以下に該当する中古品をお金を稼ぐ目的で売買する場合には古物商の許可が必要となります。

古物商の種類 具体例
①美術品類 絵画、版画、彫刻、骨とう品、工芸品、アンティーク・登録火縄銃・登録日本刀など
②衣類 和服、洋服、子供服、和服小物、帽子、ジーンズ、布団、絨毯、旗など
③時計・宝飾品類 腕時計、置時計、眼鏡、宝石・指輪・ネックレス、アクセサリー、貴金属類など
④自動車 自動車、タイヤ、バンパー、カーナビ、サイドミラー、その他部品類など
⑤自動二輪車及び原動機付自転車 バイク本体、原付自転車、マフラー、エンジン、部品類など
⑥自転車類 自転車、電動アシスト自転車、一輪車、三輪車、かご、タイヤ、サドル、空気入れ、その他部品など
⑦写真機類 カメラ、アンティークカメラ、写真機、レンズ、ビデオカメラ、顕微鏡、双眼鏡、天体望遠鏡、光学機器など
⑧事務機器類 パソコン、パソコン周辺機器、タブレット端末、コピー機、プリンター、FAX、電話機、レジ、タイムレコーダー、シュレッダー、各種測定機器など
⑨機械工具類 家庭用ゲーム機、家電製品、家庭用電話機、土木機械、工作機械、化学機械、医療機器、20トン以下の船舶など
⑩道具類 家具、楽器、スポーツ用品、日用品、釣り具、パソコンソフト、ゲームソフト、CD、DVD、トレーディングカードなど
⑪皮革・ゴム製品類 バッグ、かばん、皮靴、財布など
⑫書籍 単行本・文庫本・雑誌・まんが・写真集・児童書・辞書・古書・地図など
⑬金券類 商品券、航空券、乗車券、各種入場チケット、郵便切手、テレホンカード・プリぺーどカードなど

因みに、ここでいう中古品とは一度使用された物だけではなく、使用されていないけど使用の為に購入された物も含まれます。

例えば、一般の人が購入したけ使わずにヤフオクやメルカリ、中古品販売店などに出品した新品未使用品を仕入れる場合、その商品は中古品という扱いになります。

ヤフオクで古物商が不要な場合

基本的には中古品を中古品をお金を稼ぐ目的で売買する場合には古物商の許可が必要となりますが、以下の場合には例外としてヤフオクで売買しても古物商の許可が不要となります。

ヤフオクでも不要なパターン 説明
私物 自分が使っていらなくなった不用品をヤフオクで販売する場合は古物商は不要。
新品の物 新品だけを販売しているお店から仕入れた新品を仕入れてヤフオクで売る場合には古物商は不要。一方、中古品販売店でたまたま販売されていた新品未使用品を仕入れてヤフオクで売る場合には古物商は必要となります。
無料でもらった物 無料でもらったものは私物扱いとなるので、ヤフオクで販売しても古物商の許可は不要です。
輸入した商品 自分が輸入した商品をヤフオクで販売しても古物商の許可は不要です。但し、他の人が輸入した商品を仕入れて販売する場合には古物商の許可が必要です。
資産・投資目的の貴金属 インゴット、金貨、金塊、古銭、古札、プラチナなどは資産という扱いになるので、古物商は不要です。
消費する物 食品、お酒、医薬品、香水、化粧品などの消費してなくなるものはをヤフオクで販売しても古物商の許可は不要です。ただし、古物商以外の許可が必要になるケースもあるので注意。
原材料となる物 金属くず、鉄くず、銅線、空き缶など原材料として取引されるものをヤフオクで売買する場合も古物商の許可は不要です。但し、金属くず商という別の許可が必要となります。

なぜ、上記の物を売買する場合には古物商の許可が不要なのかというと、古物商の許可は盗品の売買を防ぐために必要だからです。

例えば、ヤフオクで出品されている中古品を仕入れたり、誰からか中古品を買い取った場合、その中古品は盗品の可能性があります。

そのため、古物商は誰かから商品を買い取る際には、本人確認を行うように義務付けられています。

一方、上記の私物や新品などは、新品をお店から購入してヤフオクに販売するだけなので、その商品が盗品である可能性はほぼなく、古物商の許可は不要というわけです。

ヤフオクの無許可はバレるので注意

上記ではヤフオクで古物商の許可が必要な場合について解説しましたが、中には「ヤフオクで売買するだけだったらバレないでしょ・・・」と思った方もいるかもしれません。

しかし、ヤフオクで古物商が必要な取引をするなら、無許可でやるのは絶対に辞めた方がいいです。

なぜなら、以下のような理由から無許可がバレてしまうケースがよくあるからです。

  • 購入者からの通報で発覚
  • 競合業者による警察への報告
  • 盗品を知らずに買取

無許可がバレてしまう一番多い原因は購入者からの通報です。

商品の取引きにおいて、購入からのクレーム対応で揉めてしまった場合に、購入者が腹いせに警察に通報するケースです。

その他にも、古物商の許可を取得している競合業者が、無許可業者に邪魔されたくないという理由から警察に報告するケースも見られます。

また、知らずに盗品を仕入れてしまった、犯罪に巻き込まれたことが切っ掛けでバレてしまう事もあるでしょう。

ですので、ヤフオクで古物営業を行う場合には必ず、古物商の許可を取得して行うようにしましょう。

後から申請しても罰則や逮捕はない?

ただ、この記事を読んでいる方の中には、もうすでにヤフオクで古物営業をはじめてしまっていて、これから古物商の申請をしたら「無許可がバレて逮捕や罰則を科されるのでは?」と不安に思っている方もおられるかもしれません。

あくまでも、これまでにどれぐらいの期間無許可を行っていたのかや、取引金額、取引量によっても対応はことなるので一概には言えませんが、基本的には後から古物商の申請しても逮捕されたり罰則を科されたすることはありません。

もちろん、厳しき注意される可能性はありますが、それでも無許可営業を続けるよりは全然マシです。

そのため、もし今現在、ヤフオクで無許可営業を行っている場合には、できるだけ早く古物商を取得することをおすすめします。

ヤフオクで古物営業を行う場合にはURLの届出が必要

古物商の許可を取得して、HP等で中古品を販売する際には、URLの届出が必要となります。

では、ヤフオクで中古品を売買する場合には、URLの届出は必要なのでしょうか?

結論を先にいうと、ヤフオクでもURLの届出は必要です。

これはヤフオクストアに出店している人はもちろんのこと、個人アカウントを利用してヤフオクで出品している人もURL届出が必要です。

なぜなら、ヤフオクの個人アカウントにも「https://auctions.yahoo.co.jp/seller/〇〇〇〇(IDが入る)」という、継続的に利用可能なURLが割り当てられるからです。

そもそも、ネットで中古品を販売する場合にはURLの届出は必要なのですが、例外的に継続的に固定のURLを使用できない形で中古品を販売する場合にはURLの届出は不要となっています。

その点、ヤフオクの個人アカウントは継続的に利用可能なURLが割り当てられるため、例外には当てはまりません。

因みに、ネット上では、ヤフオクの個人アカウントであればURLの届出が不要という誤った情報も多いのでご注意ください。

URL届出を提出していない場合の罰則

ヤフオクで古物営業を行っているのにURL届出を提出していない場合には、以下のような罰則に処される可能性があります。

  • 20万円以下の罰金・・・ヤフオクで中古品を販売するにも関わらず、古物商の申請の際にヤフオクのURL届出を提出していない場合
  • 10万円以下の罰金・・・古物商を取得してからヤフオクで中古品を販売しはじめたけど、URL追加の届出を提出していない場合

ヤフオクのURLを届け出ていない場合には、上記のように罰金に処される可能性がありますので、ヤフオクで古物営業を行う場合には必ずURLの届出をするようにしましょう。

ヤフオクのURL届出の作成方法と添付書類

ここまでに、ヤフオクではヤフオクストアや個人アカウントに関わらず、URLの届出が必要ことを解説していました。

恐らく、多くの方はヤフオクでのURL届出が必要なことについて理解して頂いたと思います。

そこで、ここからはヤフオクのURLの届出の作成方法と添付書類について解説していきます。

ヤフオクのURL届出の書き方(新規申請の場合)

まず、新規申請でヤフオクのURL届出を提出する場合には、申請書の「別記様式第1号その4(第一条の3関係)」という書類に以下のように記載します。

 

①電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する方法を用いるかどうかの別

「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する方法を用いるかどうかの別」とは、簡単にいうとネットを使って古物営業をするかどうかということです。

今回はヤフオクを使用するので「用いる」を選択します

㉓送信元識別符号

「送信元識別符号」は、わかりやすくいうと使用するURL(ドメイン)のことです。

ヤフオクでURLの届出をする場合にはヤフオクのプロフィールページのURLを記載します。

この時、ID以降の数字や記号が記載されている場合には、IDまでを記載するようにしましょう。

例えば、ヤフオクのIDが「yamada」だった場合、ヤフオクのアカウントプロフィールページは「https://auctions.yahoo.co.jp/seller/yamada」となります。

ただし、アカウントページへの表示方法によっては「https://auctions.yahoo.co.jp/seller/yamad/?utm_medium=share&utm_source=ios」というように、ID名以降に変な文字列が表示される場合があります。

その場合には、「/?utm_medium=share&utm_source=ios」のURLを消してアクセスすると、正しいURLでアカウントが表示されます。

因みに、上記は新規で申請する際のヤフオクのURL届出の書き方となります。

一方で、もうすでに古物商の許可を取得していて、これからヤフオクのURLの届出を追加したいという場合にはURLの変更届出を提出する必要があります。

変更届でヤフオクを追加する場合には「【記入例あり】古物商のURL変更届の書き方|必要書類・提出期限」の記事に詳しく記載していますので、こちらの記事をご確認ください。

ヤフオクのURL届出に必要な添付書類

URLの届出を提出する際には、そのURLの使用権限を疎明する書類を添付書類として提出しなければなりません。

「URLの使用権限を疎明する資料」とは、"自分がそのURLを使う事ができることを証明する書類"のことです、その書類を自分で準備する必要があります。

そして、ヤフオクの場合には以下の書類を「URLの使用権限を疎明する資料」として提出すれば問題ありません。

  • Yahooストア出店完了のメールをプリントアウトしたもの
  • Yahooストアの契約内容の情報をプリントアウトしなもの

一方で、ヤフオクストアではなく、個人アカウントでURLの届出をする場合には、以下のようなURLが記載されたプロフィールページをプリントアウトした書類を提出することで使用権限を疎明として認められることがほとんどです。

ただし、アカウントページをプリントアウトしただけでは誰のアカウントなのか第三者からは判断できません。

そこで、①「プロフィールページの自己紹介文の欄に申請者の名前を記入」するようにしてください。

また、②「URL」の表記がない書類については認められませんので、必ず、URLが表示されるように印刷して下さい。

注意ポイント

多くの警察署ではヤフオクのURLの使用権限を疎明する資料として、上記が認められますが、警察署によっては求められる書類が若干異なることもあるので、事前に管轄の警察署に添付書類を確認することをおすすめします。

ヤフオクに表示しなければならない記載事項

警察署にヤフオクのURLを提出したら、ヤフオクのページに以下の3つの点を記載しなければなりません。

  1. 古物商の許可を受けた人の名前又は名称
  2. 古物商許可を受けた公安委員会の名称
  3. 12ケタの古物商許可番号

古物商の許可を受けた人の名前又は名称

法人で古物商の許可を受けた場合には法人名を記載しなければなりません。

一方、個人で古物商の許可を受けた場合には、個人のフルネームを記載しなければなりません。

しかも、個人の名前の代わりに営業所の名前や屋号を表示することは認められていません。

ですので、ヤフオクのプロフィールページの自己紹介欄に法人名又は個人のフルネームを記載するようにしてください。

古物商許可を受けた公安委員会の名称

古物商許可を受けた公安委員会の名称は古物商の許可証に記載されています。

因みに、古物商の申請書を提出するのは警察署ですが、古物商の許可を出すのは公安委委員会ですので、警察署の名前を記載しないようにしてください。

基本的には主たる営業所を管轄する「都道府県名+公安委員会」と記載すれば問題ありません。

12ケタの古物商許可番号

古物商許可番号とは、古物商を取得した際にそれぞれに割り振られる12桁の番号のことで、こちらについても古物商許可証に記載されています。

この古物商許可番号は、古物商を取得している信頼性の証拠として取引相手に提示しなければならないものであるため、必ず記載するようにしてください。

因みに、URL届出を提出すると警察署のデータベースから古物商許可番号を検索することが可能になります。

詳しくは「古物商の許可番号一覧と正しい調べ方|偽物の確認方法はある?」の記事を確認してください。

ヤフオクで仕入れる場合にどうやって本人確認すればいい?

古物商は商品を仕入れる場合、免許証は保険証等で相手方の本人確認を必ず行わなければなりません。

そのため、ヤフオクで商品を仕入れる場合にも本人確認が必要となります。

ただ、ヤフオクで取引を行う場合には、対面ではないのでどのようにして本人確認すればいいのでしょうか?

ネットでの仕入れを行う際に認められている本人確認方法は全部で15種類あります。

しかし、実際にヤフオク仕入れで使用できる方法は、ヤフオクというプラットフォームの仕様上、以下の5種類に限定されます。

  1. 印鑑証明書を送付してもらう
  2. 本人限定受取郵便を送る
  3. 住民票等を送付してもらう+簡易書留を送る
  4. 身分証明書2点を送付してもらう+簡易書留を送る
  5. 身分証明書の画像を送付してもらう+簡易書留を送る

 

因みに、ヤフオクでの本人確認方法としてネット上でよく言われている「送付伝票に記載されている住所や氏名を記録」や「Yahoo!IDを記録」といった方法は、法律では認められていません。

つまり、ヤフオクで一般の方から仕入れる場合、本人確認をするのはかなり難しいというわけです。

そのため、ヤフオクでの仕入れは向いていないと言えます。

注意ポイント

以下のどの方法で本人確認をする場合でも、本人確認を行う前に、相手方から住所、氏名、職業、年齢を確認する必要があります。

①印鑑証明書を送付してもらう

取引き相手に書類を郵送し、その書類に印鑑登録された印鑑を押してもらいます。

そして、その印鑑を押した書類と共に印鑑証明書を返送してもらいます。

書面の内容に特に決まりはありませんが、古物台帳に記録が必要な「住所・氏名・職業・年齢」等の記入欄を作成し、記載してもらうと良いです。

後は、届いた書類に押してある印鑑と印鑑証明書の印鑑が同じかを確認できれば本人確認完了です。

②本人限定受取郵便を送る

取引き相手の住所、氏名、年齢、職業を確認し、その住所宛に本人限定受取郵便を送ります。

本人限定受取郵便とは、受取の際に本人確認が必要な郵便のことで、配達員が郵便物を渡す前に本人確認をしてから渡します。

郵送するものについては特に何でも大丈夫です。

郵便物が無事に受け取られたら本人確認が完了となります。

③住民票等を送付してもらう+簡易書留を送る

取引相手から住民票や戸籍謄本、戸籍抄本、印鑑登録証明書のどれか1つを送ってもらいます。

そして、そこに記載されている住所宛に転送不要の簡易書留郵便を送ります。

転送不要の簡易書留郵便が到着したことを確認できれば本人確認完了です。

④身分証明書2点を送付してもらう+簡易書留を送る

取引相手から運転免許証、国民健康保険被保険者証等の異なる身分証明書のコピー2点を送ってもらい、そこに記載された住所に転送不要の簡易書留郵便を送ります。

因みに、身分証明書2点の代わりに身分証明書等のコピー1点と公共料金領収書等(コピーも可)でも大丈夫です。

転送不要の簡易書留郵便が到着したことを確認できれば本人確認完了です。

⑤身分証明書の画像を送付してもらう+簡易書留を送る

取引相手から身分証明書の画像を送ってもらい、その身分証明書に記載された住所宛に転送不要の簡易書留郵便を送ります。

注意点としては、写真付きの身分証明書を送って貰う必要があります。

また、身分証明書の画像は表面だけでなく、裏面や厚み等その他の特徴が分かるように撮影して送ってもらわなければなりません。

転送不要の簡易書留郵便が到着したことを確認できれば本人確認完了です。

まとめ

この記事のまとめ 

  • ヤフオクでも古物商が必要な場合がある
  • ヤフオクの無許可はバレる
  • ヤフオクで販売する場合にはURL届出が必要
  • 許可を受けたらヤフオクに記載事項を必ず表記する
  • ヤフオクの本人確認は難易度が高いので仕入れに向かない

古物商とは?どんな時に必要?

 

古物商の学校では古物商に関する基礎知識から古物商の取り方や、古物商の取得後に必要な手続き、古物商の変更手続きに至るまで専門家が徹底的に解説しています。

 

古物商について分からないことがあれば、是非、『古物商の学校』で検索してみてください。

\初心者向でも古物商が丸わかり/

古物商の取り方

※古物商の専門化がどこよりも詳しく徹底解説しています。